(肛門直腸疾患の評価も参照のこと。)
孤立性直腸潰瘍症候群は,外傷に起因する遠位直腸粘膜の粘膜虚血によって引き起こされる。
原因として以下のものがある:
症状と徴候
診断
孤立性直腸潰瘍症候群の診断は,典型的には病歴のみで下されるが,ときに確定のためにS状結腸内視鏡検査と生検が行われる。直腸重積または全層直腸脱に対する評価を行うべきである(直腸脱の診断を参照のこと)。
生検検体の病理組織学的検査では,陰窩構造の歪曲および粘膜固有層の平滑筋およびコラーゲンへの置換を伴う肥厚した粘膜層が示され,粘膜筋板の過形成および組織崩壊がもたらされる。
治療
軽症例の治療は,患者を安心させるとともに,慢性便秘を緩和するための膨張性下剤の投与レジメンを確立することである。直腸脱が原因の場合は,手術を要することがある(直腸脱の治療を参照のこと)。