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消化管の急性穿孔

執筆者:

Parswa Ansari

, MD,

  • Assistant Professor and Program Director in Surgery
  • Hofstra Northwell-Lenox Hill Hospital, New York

最終査読/改訂年月 2017年 1月
本ページのリソース

消化管の穿孔はいずれの部位にも生じる可能性があり,胃や腸管の内容物が腹腔内に放出される。原因は様々である。症状は重度の疼痛を伴って突然出現し,その直後にショックの徴候が出現する。診断は通常,画像検査で腹腔内に遊離ガスが認められることで下される。治療は急速輸液,抗菌薬,および手術による。死亡率は高く,基礎疾患および患者の全体的な健康状態によって異なる。

急性腹痛も参照のこと。)

病因

鈍的外傷と穿通性外傷のいずれによっても,消化管各部の穿孔がもたらされる可能性がある( 消化管穿孔の原因)。嚥下された異物は,たとえ鋭い物であっても,それが篏入して,局所の圧迫により虚血および壊死を引き起こさない限り,穿孔を引き起こすことはまれである( 消化管異物の概要)。肛門から挿入された異物によって直腸またはS状結腸が穿孔することがある(直腸異物を参照のこと)。

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消化管穿孔の原因

穿孔部位

原因

備考

全ての部位

外傷

異物

食道

激しい嘔吐

Boerhaave症候群と呼ばれる

医原性の原因

典型的には食道鏡,バルーン拡張器,またはブジーによる穿孔

腐食性物質の摂取

胃または十二指腸

約3分の1の患者では潰瘍症状の既往がない

約20%ではX線上で遊離ガスを認めない

腐食性物質の摂取

典型的には胃

小腸

絞扼性閉塞

急性虫垂炎およびメッケル憩室炎の可能性

X線上で遊離ガスはほとんど認めない

大腸

閉塞

典型的には盲腸の穿孔

高リスク:大腸内径が13cm以上,プレドニゾンなどの免疫抑制薬を服用している患者(この患者群では症候をほとんど認めないことがある)

ときに自然発生

胆嚢

胆嚢摘出術または肝生検の際に生じた医原性損傷

通常は胆道系または十二指腸に損傷がある

まれに,急性胆嚢炎

通常は大網で被覆されている

症状と徴候

食道,胃,十二指腸穿孔は突然かつ激烈に発症する傾向があり,重度かつ汎発性の腹痛,圧痛,および腹膜刺激徴候を伴った急性腹症が突然発生する。疼痛は肩に放散することがある。

消化管の他の部位の穿孔は,疼痛と炎症を伴う他の病態においてしばしば発生する。そのような穿孔は最初しばしば小さく,大網で被覆されていることが多いため,疼痛はしばしば徐々に出現し,局所的な可能性がある。圧痛もより限局的である。これらの所見から,穿孔と基礎疾患の悪化または治療に対する反応欠如の鑑別が困難になる可能性がある。

いずれの種類の穿孔でも,悪心,嘔吐,食欲不振が高頻度にみられる。腸音は減弱または消失している。

診断

  • 一連の腹部X線検査

  • 診断がつかない場合は,腹部CT

一連の腹部X線検査(仰臥位および立位腹部X線ならびに胸部X線)が診断に有用なことがあり,症例の50~75%において横隔膜下に遊離ガスが認められる。この徴候の頻度は時間の経過とともに増加する。側面の胸部X線は後前方のX線よりも遊離ガスに対する感度が高い。

一連の腹部X線検査が診断の決め手とならない場合は,通常は経口,静注,および/または直腸造影剤を用いた腹部CTが有用なことがある。穿孔が疑われる場合は,バリウムを使用してはならない。

治療

  • 手術

  • 輸液および抗菌薬の静注

腹膜炎による死亡率は治療が遅れるほど急激に上昇するため,穿孔に気づいた場合は直ちに手術を行う必要がある。膿瘍または炎症性腫瘤の形成が認められた場合は,処置は膿瘍のドレナージに限られる可能性がある。

ときに,手術前に経鼻胃管を挿入する。体液量減少の徴候が認められる患者では,カテーテルを用いて尿量をモニタリングすべきである。十分な輸液および電解質補給によって体液状態を維持する。腸内菌叢に効果を示す抗菌薬を静脈内投与すべきである(例,セフォテタン1~2g,1日2回,またはアミカシン5mg/kg,1日3回 + クリンダマイシン600~900mg,1日4回)。

要点

  • 疼痛は突然で,直後に腹膜炎およびショックの徴候が続く。

  • 単純X線および/またはCTによる画像検査を行う。

  • 急速輸液および抗菌薬の静注と併せて外科的修復が必要である。

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