アカエイは、尾の裏側の棘に毒をもっています。浅い波打ち際を歩いているときにアカエイ(砂に埋まっていることがよくあります)を踏むことで受傷することがほとんどです。アカエイは、尾を押し出して人間の足や脚に棘を突き刺し毒を放出します。棘の被膜の破片が傷口に残ると、感染のリスクが増加します。
アカエイの棘による傷口はギザギザになり、大量に出血します。即座にひどく痛みますが、6~48時間かけて徐々に痛みが消失します。アカエイに刺された人の多くに、失神、脱力、吐き気、不安などがみられます。嘔吐、下痢、発汗、全身のけいれん、呼吸困難、死に至るケースはまれです。
(咬み傷と刺し傷に関する序 咬み傷と刺し傷に関する序 人間も含めて動物の多くは、驚かされたり挑発されたりすると、咬みつくことがあります。咬みつく動物の例として以下のものが挙げられます。 アリゲーターやクロコダイル イグアナ 小型のダニ 大型のダニ さらに読む も参照のこと。)
アカエイによる刺し傷の治療
最初に塩水を用いた洗浄
医師による傷の治療および棘の破片の除去
アカエイによる腕や脚への刺し傷の応急処置は、塩水でやさしく洗い流して棘の破片を取り除くことから始めます。棘は皮膚の表面に刺さっていて、首、胸部、腹部を貫いていない場合にのみ取り除くべきです。大量に出血している場合は直接圧迫して、出血を抑えます。
救急医療機関では、医師が傷口を診察し、棘の破片を取り除きます。 破傷風の予防注射 ワクチン接種 破傷風は、嫌気性細菌の破傷風菌(Clostridium tetani)が作り出す毒素によって引き起こされる病気です。この毒素によって筋肉が不随意に収縮し、硬くなって動かせなくなります。 破傷風は通常、傷口や皮膚を突き破るようなけがなどが汚染されることで発生します。 診断は症状に基づいて下されます。 ワクチン接種と適切な創傷ケアにより破傷風を予防できます。 治療では、破傷風免疫グロブリンを投与して毒素を中和し、治まるまで症状... さらに読む が必要になることもあります。刺された腕や脚は数日間挙上しておくべきです。抗菌薬が処方される場合や傷口を縫合するために手術が必要になる場合もあります。