あごの関節が脱臼すると、一般的には激痛を伴う 急を要する歯科的問題 急を要する歯科的問題に関する序 口と歯(口腔)のトラブルには、苦痛を軽減し口腔の構造に与えるダメージを最小限に抑えるために、緊急に治療が必要なものがあります。そうした緊急の治療が必要な口と歯のトラブルとしては、以下のものがあります。 歯痛 歯の破折、動揺、脱臼 顎骨骨折 あごの脱臼 さらに読む であり、早急な医師または歯科医師による手当てが必要になります。口を閉じることができなくなり、あごが片方へねじれることがあります。あごの脱臼は、けがが原因で起こることもありますが、典型的には口を大きく開きすぎること(例えば、あくび、大きなサンドイッチにかぶりつく、嘔吐、歯科処置の際など)が原因で起こります。
あごの脱臼は、以前にも脱臼を経験した人や、あごの関節がゆるんでいる人(顎関節疾患 顎関節疾患 顎関節は、頭蓋骨の側頭骨と下あごの骨(下顎骨)とをつないでいる関節です。顎関節は顔の両側に1つずつ、計2つあり、耳のすぐ前に位置しています。靱帯(じんたい)、腱、筋肉がこの関節を支え、あごを動かしています。 顎関節疾患は、あごの筋肉や関節、またはそれらをつなげている線維性組織の問題が原因で起こります。... さらに読む の結果ゆるむことがある)では起こる可能性が高まります。
一般的には、医師や歯科医師が手であごを元の位置に戻します(徒手整復)。
脱臼したあごを戻す
医師または歯科医師が、指にガーゼを巻いた後、親指を口の中に入れて下あごの奥歯にあてます。それ以外の指は下あごの下に沿わせます。奥歯を下に押し、あご先を押し上げて顎関節を正常な位置に戻します。 |
バートン包帯
バートン包帯は、骨折または脱臼したあごを一時的に安定させる際に用いられます。 |
あごが元の位置に戻った後、顎関節の炎症が治まるまで、再び脱臼するのを予防するために、ときにバートン包帯(図「 バートン包帯 バートン包帯 」を参照)を巻いてあごの動きを制限することがあります。さらに、最低6週間は大きく口を開かないようにとの注意が与えられます。あくびが出そうになったときは、口が大きく開かないように、こぶしをあごの下にあてるようにします。食べるものは細かく切る必要があります。複数回の脱臼を経験している場合は、脱臼のリスクを減らすための手術が必要になることがあります。例えば、 顎関節 顎関節疾患 の位置であごと頭蓋骨を連結している靱帯を短くして、関節を締めます。
さらなる情報
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