綿肺症になると、喘鳴や胸の圧迫感が生じることがあり、通常は休み明けの勤務初日にみられます。
診断を下すには、1日の労働における肺機能の低下を調べる検査を行います。
まず曝露を中止すべきであり、喘鳴や胸の圧迫感は、喘息に使用される薬剤で治療できます。
(環境性肺疾患の概要 環境性肺疾患の概要 環境性肺疾患は、有害な粒子、霧、蒸気、ガスなどを吸い込むことによって発生する病気で、通常は作業中に起こります。肺疾患が粒子を吸い込んだことに起因する場合は、塵肺(じんぱい)症という病名がよく用いられます。 吸い込んだ物質が気道や肺の中に達する範囲と引き起こす肺疾患のタイプは、吸い込んだ粒子の大きさや種類によって異なります。粒子が大きければ... さらに読む も参照のこと。)
綿肺症は 環境性肺疾患 環境性肺疾患の概要 環境性肺疾患は、有害な粒子、霧、蒸気、ガスなどを吸い込むことによって発生する病気で、通常は作業中に起こります。肺疾患が粒子を吸い込んだことに起因する場合は、塵肺(じんぱい)症という病名がよく用いられます。 吸い込んだ物質が気道や肺の中に達する範囲と引き起こす肺疾患のタイプは、吸い込んだ粒子の大きさや種類によって異なります。粒子が大きければ... さらに読む であり、米国や英国では、患者は加工前の綿を扱う労働者にほぼ限られています。また、亜麻や麻などを扱う労働者も、綿肺症を発症することがあります。原綿の荷解きをする労働者や、綿を加工する最初の工程で働く労働者が、最も綿肺症になりやすいようです。綿を扱う仕事に短期間従事した人にも綿肺症が発生する可能性がありますが、10年以上の曝露の後で発生することがほとんどです。おそらく、原綿中の細菌が生産する毒素が綿塵に混ざり、感受性の高い人に気道狭窄を引き起こすのではないかと考えられています。
綿肺症の症状
綿肺症になると、喘鳴や胸の圧迫感が生じることがあり、通常は休み明けの勤務初日にみられます。曝露を繰り返すうちに、症状が治まる傾向がみられ、週末までに胸の圧迫感が消える場合もあります。しかし、長年にわたって綿を扱う作業を続けると、胸の圧迫感が休み明けから2~3日間続くことがあり、場合によっては1週間を通して続くことさえあります。長期にわたって綿の粉塵にさらされ続けると、喘鳴や胸の圧迫感などの症状が現れる頻度が増えて、恒久的な肺疾患につながり、身体障害をきたすこともあります。
綿肺症の診断
肺機能検査
診断を下すには、1日の労働における肺機能の低下を調べるための 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺にためることができる空気の量、肺から空気を出し入れする能力、肺に酸素を取り込む能力を測定します。 肺機能検査は、肺疾患の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、 喘息や 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの特定の病気を診断するために使用されることもあります。 ( 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および 呼吸器系も参照のこと。)... さらに読む を行います。肺機能の低下は、一般に週の勤務初日に最大になります。
綿肺症を早期に発見するため、医師はテキスタイル産業に従事する人に対し、定期的な肺機能検査を受けるよう勧めています。
綿肺症の予防
綿肺症の予防には、レスピレーターや防塵マスク、その他の器具などの保護具を使用するのが最善の方法です。
綿肺症の治療
曝露を避ける
気道を拡げる薬剤
綿肺症の症状がある労働者で、週の勤務初日に肺機能が急激に低下した場合は、曝露環境から離れるべきです。喘鳴や胸の圧迫感は、 喘息に使用される薬剤 喘息の予防薬と治療薬 ほとんどの喘息患者は薬剤を服用することで、比較的普通の生活を送ることができます。喘息発作の治療に使用される薬剤のほとんどが、発作の予防にも使用できます(しばしば用量を減らして使用されます)。( 喘息も参照のこと。) 治療は、次の2種類の薬剤を基本にして行われます。 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID) 気管支拡張薬 抗炎症薬は、気道が狭くなる原因である炎症を和らげます。抗炎症薬には、コルチコステロイド(吸入、内服、静脈内投与が可能)、ロ... さらに読む で治療できます。