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特定の疾病と旅行

執筆者:

Christopher Sanford

, MD, MPH, DTM&H, University of Washington;


Alexa Lindley

, MD, MPH, University of Washington School of Medicine

レビュー/改訂 2022年 8月
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特定の疾病のある人は、旅行中に特別な問題が生じます。

心疾患と旅行

狭心症 狭心症 狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。 狭心症の人では通常、胸骨の後ろの部分に不快感や圧迫感がみられます。 典型的には狭心症は運動時に発生し、安静にしていると回復します。 狭心症の診断は、症状と心電図検査および画像検査の結果に基づいて下されます。 治療法には、硝酸薬、ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬の投与や、経皮的冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術などがあります。 さらに読む 心不全 心不全 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全 、特定の 不整脈 不整脈の概要 不整脈とは、一連の心拍が不規則、速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは心臓内で電気刺激が異常な経路で伝わるなど、心拍リズムの異常のことをいいます。 不整脈の最も一般的な原因は心臓の病気(心疾患)です。 自分で心拍リズムの異常に気づくこともありますが、ほとんどの人は、脱力感や失神などの症状が起きるまで不整脈を自覚しません。... さらに読む 不整脈の概要 などの持病がある人が安静時や少しの運動で症状が現れる場合には、旅行すべきではありません。最近心臓発作を起こした人は、心臓発作の重症度に応じて様々な期間、旅行を延期するよう勧められています。旅行を延期する必要があるかどうか、ある場合はどれくらいの期間延期すべきか、主治医に尋ねるべきです。重い狭心症または症状が悪化している人は、飛行機の搭乗を避けるべきです。高度が高いときに飛行機内の酸素濃度は低下するため、症状が悪化することがあります。

心臓病の持病がある旅行者は、最近とった心電図のコピーを携帯する必要があります。体内にペースメーカー、植込み型除細動器、冠動脈ステントがある人は、機器があることと、その種類、位置や特徴などを記入したカードや医師の診断書を携帯する必要があります。空港の金属探知ゲートをくぐるときに、植込み型の機器が原因で警報が鳴ることがあります。金属探知ゲートは通常は植込み型除細動器に影響を与えることはありませんが、15秒以上はゲート内に立たないようにします。手で持つタイプの金属探知機は除細動器を付けた人にも安全ですが、除細動器の上に探知機を5秒以上かざすなどの長い接触は避けるべきです。

事前に通知すれば、ほとんどの主要航空会社は機内での通常の食事サービスで減塩食や低脂肪食を用意してくれます。事前の申込みがあれば、旅客船会社もこのような食事を用意できます。

知っていますか?

  • 高度が高いところでは、酸素濃度の低下によって、ある種の心疾患、肺疾患、鎌状赤血球貧血の症状が悪化する可能性があります。

肺疾患と旅行

肺嚢胞、重症の 肺気腫 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなる状態(閉塞)が持続する病気で、肺気腫や慢性閉塞性気管支炎、またはその両方に伴って発生します。 この病気の原因として最も重要なのは、紙巻タバコの喫煙です。 この病気になると、せきが出て、やがて息切れが現れます。 診断は、胸部X線検査と肺機能検査によって下されます。... さらに読む 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 、肺の周囲の水分貯留(胸水 胸水 胸水とは、胸腔(厳密には2つの胸膜の間)に液体が異常にたまることや、その液体自体のことをいいます。 胸腔に液体がたまる原因としては、感染症、腫瘍、外傷、心不全、腎不全、肝不全、肺血管の血栓( 肺塞栓症)、薬物など、数多くあります。 症状には、呼吸困難や胸痛などがあり、特に呼吸やせきをしたときに現れます。 診断には、胸部X線検査や胸水の検査が用いられ、CT血管造影検査もよく使用されます。... さらに読む 胸水 )がある人、最近肺虚脱(気胸 気胸 気胸とは、2層の胸膜(肺の外側と胸壁の内側を覆っている薄くて透明な膜)の間に空気が入り込むことによって、肺が部分的または完全につぶれてしまう病気です。 症状には、呼吸困難や胸痛などがあります。 診断は胸部X線検査によって下されます。 治療は通常、ドレーンやときに合成樹脂製のカテーテルを胸部に挿入して空気を抜くことです。 ( 胸膜疾患の概要も参照のこと。) さらに読む 気胸 )を起こした人、最近胸部外科手術を受けた人などは、機内の気圧の変化で合併症を起こす可能性があります。これらの人は医師の承諾なしに飛行機に乗ってはいけません。

上記以外の肺疾患がある旅行者は、機内では酸素吸入が必要になる場合があります。医師は患者の血液中の酸素レベルを測定し、機内で酸素が必要になるかどうかを判断します。血液中の酸素レベルが低い状態を低酸素血症といいます。医師の記入した書類と事前の通知があれば、ほとんどの主要航空会社は機内用酸素を提供できます。乗客はいかなる形態の酸素ボンベであっても飛行機への持ち込みは許可されません。乗り継ぎで空港に待機している間に酸素を必要とする旅行者は、自分で酸素を確保する手配をしなければなりません。治療用酸素を供給する会社がその都市でサービスを提供している場合は、多くの場合において酸素吸入器は利用者に無料で貸し出されます。持続陽圧呼吸装置などその他の呼吸器用機器は、許可されている機内持ち込み手荷物のサイズを越えないという条件で機内への持ち込みが可能です。しかしこの装置が必要な乗客は、セキュリティーチェックに通常より長い時間がかかります。

高地での陸路の旅行では、海面レベルと比べて酸素が薄くなるため、特別な症状がみられることがあります(高山病 高山病 高山病は、高地で酸素が欠乏することによって引き起こされる病気です。 症状には、頭痛、疲労、吐き気や食欲不振、怒りっぽさなどがあり、より重症になると、息切れ、錯乱、そして昏睡などが現れます。 高山病の診断は、主に症状に基づいて下されます。 治療として、休息や高度を下げるなどの対応があり、薬や酸素が用いられる場合もあります。... さらに読む )。一般に、軽度から中度の肺疾患の人は、高度1500メートル以下であれば問題ありませんが、高度が高くなるにつれて問題が生じる可能性も高くなります。肺疾患のある人が高地を旅行する場合は、飛行機に乗るのと同様の予防措置を取るべきです。

バス、電車、自動車、船での旅行は肺疾患のある人にも安全ですが、酸素を用意する準備が求められます。世界中どこでも旅行者に酸素の配達を手配する医療サービス会社もあります。

喘息 喘息 喘息は、気道が何らかの刺激に反応して狭くなる(通常は可逆性)病態です。 症状としては、特定の誘因に反応して生じる、せき、喘鳴(ぜんめい)、息切れなどが最もよくみられます。 医師は、呼吸の検査(肺機能検査)を行って喘息の診断を確定します。 喘息発作を防ぐためには、誘因となる物質を吸い込まないようにするとともに、気道の開口を保つ薬を服用する必... さらに読む 喘息 肺気腫 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなる状態(閉塞)が持続する病気で、肺気腫や慢性閉塞性気管支炎、またはその両方に伴って発生します。 この病気の原因として最も重要なのは、紙巻タバコの喫煙です。 この病気になると、せきが出て、やがて息切れが現れます。 診断は、胸部X線検査と肺機能検査によって下されます。... さらに読む 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 気管支炎 急性気管支炎 急性気管支炎とは、気管と気管から枝分かれする気道(気管支)が感染症によって炎症を起こすことです。 通常、急性気管支炎は、ウイルス性上気道感染によって発生します。 症状としては、せきがみられ、粘液(たん)を伴うこともあれば伴わないこともあります。 診断は、主として症状に基づいて下されます。... さらに読む などのある人は、大気汚染のひどい都市では症状がひどくなります。症状を十分にコントロールするためには、吸入回数を増やすか、コルチコステロイドなどの薬を追加する必要があります。喫煙は、軽度の低酸素血症を悪化させる可能性があり、飛行前には避けるべきです。アルコールの影響は低酸素症と疲労によって増大するため、旅行中はアルコールを避けることが最善です。

糖尿病と旅行

旅行中は頻繁に血糖値を検査し、必要に応じて食事の摂取量と薬の服用量を調節することで、血糖値をベストの状態に管理します。 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む の人が旅行する場合は、低血糖に備えて、糖分(ブドウ糖)補給用のサプリメントを機内持ち込み手荷物に必ず入れておくか、ジュース、クラッカー、果物などを忘れずに携帯します。一般に、インスリンの投与のタイミングは、現地時間ではなく旅行の経過時間に基づいて決めます。また、時差が数時間以上になる飛行機旅行では、糖尿病患者で特にインスリン投与をしている人は、インスリン投与の最善の時間を医師に相談します。インスリンは常温で何日も保存できますが、極端に暑いところに置いておいてはいけません。

24時間前までに連絡しておけば、ほとんどの主要航空会社は糖尿病用の特別食を用意できます。機内で脱水にならないための予防対策も重要です。

知っていますか?

  • 糖尿病の人が旅行をする場合、低血糖を避けるために血糖値を普段よりも少し高めにしておく必要があります。

到着後は、自宅にいる場合とは活動量や食事が違うため、血糖値を頻繁にモニタリングする必要があります。旅行中は血糖値を正確に管理することが難しくなるため、血糖値が普段よりも変化する傾向があります。血糖値を通常時と同じ程度に保とうとすると、血糖値が低くなりすぎる(低血糖 低血糖 低血糖とは、血液中のブドウ糖の値(血糖値)が異常に低くなっている状態です。 低血糖は、糖尿病を管理するために服用する薬によるものが最も多くみられます。低血糖のまれな原因としては、他の種類の薬、深刻な病態や臓器不全、炭水化物に対する反応(感受性の高い人において)、膵臓のインスリン産生腫瘍、一部の肥満外科手術(減量のための手術)などがあります。 血糖値が下がると、空腹、発汗、ふるえ、疲労、脱力感、思考力の低下といった症状が生じますが、重度の... さらに読む )リスクが高くなります。この理由から、旅行中は目標値を理想よりもいくらか高めに設定しておく必要があります。糖尿病の旅行者は目新しい食べものを食べたい、食べる回数を多くしたいという誘惑に屈することなく過ごすことを心がけ、また行動の予定が狂うことがあっても、いつもの摂取カロリー量を変えてはいけません。楽な靴下と靴を履き、毎日必ず足をチェックし、足にけがをしないためにも裸足で歩くことは避けなくてはなりません。たとえ小さな傷でも感染症を起こしたり治りが遅くなったりするからです。

妊娠と旅行

飛行機旅行が妊娠に悪影響を及ぼすことは一般的にはありません。しかし、妊娠36週目を過ぎているなど予定日が近い妊婦や、 流産 流産 流産とは、妊娠20週未満で胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む 早産 切迫早産 妊娠37週以前に起こる陣痛は切迫早産とみなされます。 早産児として生まれた新生児には、深刻な健康上の問題が生じる可能性があります。 切迫早産の診断は通常明らかです。 安静にしたり、ときには薬剤を用いて、分娩を遅らせます。 抗菌薬やコルチコステロイドも必要な場合があります。 さらに読む 常位胎盤早期剥離 常位胎盤早期剥離 常位胎盤早期剥離とは、胎盤が子宮壁から早期に剥がれてしまうことで、通常は妊娠20週以降に起こります。 腹痛や圧痛、性器出血が起こることがあり、ショック状態を起こすこともあります。 胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえあります。 医師は症状に基づいて常位胎盤早期剥離を診断し、ときに超音波検査を行って診断を確定します。 胎児や母体が危険な状態である場合、または妊娠が満期である場合には、できるだけ早く分... さらに読む のリスクがある人は、飛行機に乗ったり長距離の旅行をしたりすることは避けるべきです。ほとんどの航空会社には、妊婦の旅行に関する規定があり、航空券を購入する前にこの規定を確認するべきです。例えば、航空会社によっては、妊娠9カ月目で飛行機に乗りたい場合、出発72時間以内の日付があり、出産予定日が記された医師の許可書が必要です。妊婦が長距離の旅行をする場合は、血栓のリスクを減らすこと(例えば機内では何回も立ち上がって歩き、自動車なら車を止めて散歩をするなど)と脱水の予防対策が必要です。シートベルトはお腹の下と腰を渡るように締め、胎児への影響を防ぎます。

妊婦は、水浄化用タブレットを長期間使用してはいけません。この浄化剤にはヨウ素が含まれており、ヨウ素は胎児の甲状腺の発達に影響を及ぼす可能性があるからです。

マラリア マラリア マラリアは、5種のマラリア原虫(Plasmodium)のいずれかによって引き起こされる赤血球の感染症です。マラリアは発熱、悪寒、発汗、全身のだるさ(けん怠感)のほか、ときに下痢、腹痛、呼吸窮迫、錯乱、けいれん発作を引き起こします。その他の所見としては、脾臓の腫大や貧血(感染した赤血球が破壊されるのが原因です)のほか、ときに心臓、脳、肺、または腎臓の損傷などがみられます。... さらに読む がまん延している地域への旅行を延期できない妊婦は、妊娠にどのような影響を与えるかが分かっていない予防薬を服用するリスクと、十分な予防措置を講じずにその地域へ旅行するリスクとを比較検討する必要があります。マラリアは、妊娠をしていない場合に比べて妊娠中は、予防薬を服用していたとしても重篤になりやすく生命を脅かしかねないため、妊婦は、マラリアがまん延している地域への旅行を延期できないかどうか検討すべきです。マラリア予防のためのメフロキンの使用は、妊娠の全期間において承認されています。

また妊娠中は E型肝炎 E型肝炎 E型肝炎は、E型肝炎ウイルスによる肝臓の炎症です。 E型肝炎は、通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染します。 E型肝炎は、食欲不振、全身のけん怠感、黄疸など、ウイルス性肝炎の典型的な症状を引き起こします。 E型肝炎の診断は、血液検査の結果に基づいて下されます。 E型急性肝炎に対する特別な治療法はありませんが、ほとんどの患者が完治します。 さらに読む にかかるリスクも高くなります。E型肝炎はウイルスによる肝臓の感染症で、米国では珍しい病気ですが、アジア、中東、北アフリカ、メキシコではよくみられます。感染すると流産や肝不全、さらには死に至るおそれがあります。治療法がないため、E型肝炎がまん延している地域への旅行は延期を検討するべきです。延期ができない場合は、手洗いを怠らず、安全な食物に関するガイドラインに従うようにします(予防 予防 胃腸炎とは、胃と腸(小腸および大腸)の粘膜に炎症が起きた状態のことです。通常は微生物が感染することで起こりますが、毒性のある化学物質や薬の摂取が原因で起こることもあります。 胃腸炎の通常の原因は感染ですが、毒性物質や薬の摂取が原因となることもあります。 典型的には下痢、吐き気、嘔吐、腹痛がみられます。... さらに読む 予防 )。

その他の疾病

旅行や移動は以下のような疾病にも影響を与えます。

  • 鎌状赤血球症

  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症

  • 人工肛門造設

  • コンタクトレンズの装用

  • 精神障害

  • 身体障害

  • あごの問題

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染やエイズ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症とは、ある種の白血球を次第に破壊し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすことのあるウイルス感染症です。 HIVは、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触することで感染します。 HIVはある種の白血球を破壊し、感染症やがんに対する体の防御機能を低下させます。... さらに読む ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 の治療薬は、外国旅行者が マラリア 旅行者のマラリア 旅行先で起こる健康上の問題を予防、回避することは外国では特に重要です。特定の地域に旅行するとかかりやすい感染症があり、多くの人は外国旅行を検討する場合に感染症のことを最も心配します。しかし、外国旅行者の死亡原因の中で最も一般的なのは自動車事故と心疾患です。心疾患は、旅行者に限らず米国では死亡原因の第1位であり、旅行中の病気を予防するには、出発前に自分の健康状態について注意を払うことが最善の方法です。... さらに読む 旅行者下痢症 旅行者下痢症 旅行先で起こる健康上の問題を予防、回避することは外国では特に重要です。特定の地域に旅行するとかかりやすい感染症があり、多くの人は外国旅行を検討する場合に感染症のことを最も心配します。しかし、外国旅行者の死亡原因の中で最も一般的なのは自動車事故と心疾患です。心疾患は、旅行者に限らず米国では死亡原因の第1位であり、旅行中の病気を予防するには、出発前に自分の健康状態について注意を払うことが最善の方法です。... さらに読む の予防のためによく使用する薬と相互作用を起こすことがあります。したがって、感染者が旅行する場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相互作用のリスクについて相談すべきです。

コンタクトレンズを使用している人は、機内では眼鏡にかえたり、不足する水分を補うために頻繁にコンタクトレンズを人工涙液で湿らせるとよいでしょう。人工涙液はドライアイの人にも役立ちます。眼鏡またはコンタクトレンズを1組余分に持参するか、破損や紛失に備えて処方せんを持っていると安心です。補聴器用の電池も別に持っていくとよいでしょう。

ほとんどの航空会社は、障害者のために車いすと担架を用意しています。一部の航空会社は、特別な装置を必要とする乗客のために静脈用チューブや人工呼吸器などを備えていますが、専門家が患者に同伴することと事前の手配が条件となります。旅行者が重い病気のために通常の旅客機に搭乗できない場合は、救急輸送機が必要になります。

あごの手術後などで、あごがワイヤーで閉じられた人は、あごをすぐに開けられる方法がない限り、飛行機に乗るべきではありません。あごがワイヤーで固定されている状態で嘔吐すると、窒息したり、吐いたものを吸い込んだりしてしまうおそれがあります。

疾病のある人が旅行する際の全般的なアドバイスは、以下から入手できます。

  • 主要航空会社の医療部門

  • インターネット上の旅行情報

  • 地域のトラベルクリニック

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

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