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マリアアザミ(ミルクシスル)

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 2022年 1月
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マリアアザミ(ミルクシスル)とは何ですか?

マリアアザミ(ミルクシスル)は紫色の花が咲く植物です。その液汁と種子には、有効成分である強力な抗酸化物質のシリマリン(しばしばミルクシスルと同じ意味で使われる)が含まれています。抗酸化物質は正常な細胞活動の副産物であるフリーラジカルによる損傷から細胞を保護します。

サプリメントの概要も参照のこと。)

マリアアザミ(ミルクシスル)についてどのような効能が主張されていますか?

マリアアザミ(ミルクシスル)は、様々な健康上の便益の中でも特に、ウイルス、有毒物質(アルコールやタマゴテングタケの毒素など)、肝臓に有害な特定の薬剤(アセトアミノフェンなど)から肝臓を保護するといわれています。このため、マリアアザミはキノコ中毒や他の肝臓病(肝硬変C型肝炎など)の予防や治療を目的として摂取されます。

2型糖尿病患者では、マリアアザミは血糖値およびヘモグロビンA1C(HbA1C)を軽度から中等度に低下させることがあります。

マリアアザミ(ミルクシスル)には効果がありますか?

適切な試験デザインによる科学的研究では、肝臓病に対するマリアアザミ(ミルクシスル)の有意な有益性も、肝毒性による死亡率の低下も示されていません。

一部の研究ではマリアアザミが空腹時血糖とHbA1Cを低下させましたが、マリアアザミが糖尿病の人やインスリン感受性が低下している人(前糖尿病)に推奨されるかどうかは明らかではありません。

マリアアザミは、脂肪肝やタンパク尿などの糖尿病関連合併症を減少させる可能性があります。マリアアザミはコレステロールも低下させる可能性があります。しばしばベルベリンなどの他のサプリメントと併用されます。

マリアアザミ(ミルクシスル)の起こりうる副作用にはどのようなものがありますか?

重篤な副反応は報告されていませんが、消化管障害が起こることがあります。また、キク、マリーゴールド、デイジーにアレルギーのある人は、マリアアザミ(ミルクシスル)にもアレルギー反応を起こすことがあります。

ホルモン感受性疾患(乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症子宮筋腫など)がある女性は、マリアアザミの摂取を控えるべきです。

マリアアザミ(ミルクシスル)にはどのような薬物相互作用がありますか?

マリアアザミ(ミルクシスル)は血糖値を下げる薬(血糖降下薬)の効果を増強させ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療薬(インジナビルやサキナビルなど)を阻害することがあります。マリアアザミがワルファリンの効果を高め、ときに出血が生じることがあります。マリアアザミは、特定の化学的類似性をもつ薬物(一部の化学療法薬、カルシウム拮抗薬、一部の抗菌薬など)の血中濃度を上昇させることがあります。

推奨事項

マリアアザミ(ミルクシスル)が肝疾患、糖尿病、前糖尿病、その他の疾患の患者に有益であるという主張を裏付ける明確な科学的根拠はありません。

マリアアザミは2型糖尿病の人の血糖値を低下させうる、糖尿病の人はマリアアザミを摂取する前に主治医に相談すべきです。妊婦やホルモン感受性疾患のある女性は、マリアアザミを摂取する前に主治医に相談すべきです。

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