(尿細管疾患に関する序 尿細管疾患に関する序 腎臓では、血液のろ過と浄化が行われます。腎臓はさらに、血液中に含まれる水分、 電解質(ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、塩化物など)、栄養素のバランスを維持するという役割も果たしています。 腎臓のこうした機能は、血液が腎臓の糸球体(小さな穴が多数あいた血管でできた微細な球状の組織)を通過する際に、その一部がろ過されることから始まります。この... さらに読む も参照のこと。)
ブドウ糖が尿中に排泄されるのは、通常は血液中の濃度が非常に高い場合(コントロール不良の 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む など)に限られます。健康な人の大半では、腎臓で血液からろ過されたブドウ糖は、すべて再吸収されて血液中に戻ります。これに対して腎性糖尿の人では、血液中のブドウ糖の濃度は正常以下であるのに、ブドウ糖が再吸収されずに尿中に排泄されてしまいます。これは、 尿細管細胞 尿細管疾患に関する序 腎臓では、血液のろ過と浄化が行われます。腎臓はさらに、血液中に含まれる水分、 電解質(ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、塩化物など)、栄養素のバランスを維持するという役割も果たしています。 腎臓のこうした機能は、血液が腎臓の糸球体(小さな穴が多数あいた血管でできた微細な球状の組織)を通過する際に、その一部がろ過されることから始まります。この... さらに読む に異常があり、ブドウ糖を再吸収する力が低下しているために起こります。
腎性糖尿のいくつかの病態は遺伝性で、糖尿が単独で起こることもあれば、 ファンコニ症候群 ファンコニ症候群 ファンコニ症候群は、尿細管の機能が低下するまれな病気で、ブドウ糖(グルコース)、重炭酸塩、リン、尿酸、カリウム、一部のアミノ酸などが尿中に過剰に排泄されます。 ( 尿細管疾患に関する序も参照のこと。) ファンコニ症候群はファンコニ貧血とは無関係ですから、混同しないよう注意が必要です。 ファンコニ症候群は、遺伝性の場合と、以下の原因によって起こる場合があります。 特定の薬への曝露(一部の化学療法薬および抗レトロウイルス薬など) さらに読む の一部として発生することもあります。後天性の病態は、尿細管に損傷を与える特定の薬や病気などにより引き起こされます。
腎性糖尿では何の症状もみられず、深刻な影響が出ることもありません。
血糖値は正常であるのに通常の尿検査で尿中にブドウ糖が検出された場合に、腎性糖尿と診断されます。
治療は必要ありません。
さらなる情報
役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases[NIDDK]):実施中の研究に関する情報、英語およびスペイン語の消費者向け健康情報、ブログ、ならびに地域の健康促進プログラムやアウトリーチプログラム。