肝硬変

執筆者:Tae Hoon Lee, MD, Icahn School of Medicine at Mount Sinai
レビュー/改訂 2022年 3月
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やさしくわかる病気事典

肝硬変は、機能を果たさない瘢痕組織が大量の正常な肝組織と永久に置き換わり、肝臓の内部構造に広範な歪みが生じることです。肝臓が繰り返しまたは継続的に損傷を受けると、瘢痕組織が生じます。肝硬変はかつては不可逆的と考えられていましたが、最近の科学的証拠から一部の症例では可逆的であることが示唆されています。

  • 肝硬変の最も一般的な原因は、慢性的なアルコール乱用慢性ウイルス性肝炎飲酒によらない脂肪肝です。

  • 食欲不振、体重減少、疲労、全身のけん怠感などの症状が現れます。

  • 腹部への体液の貯留(腹水)、消化管の出血、脳機能の異常など、多くの重篤な合併症が起こる可能性があります。

  • 診断は、みられる症状と身体診察および画像検査の結果のほか、ときに生検の結果に基づいて下されます。

  • 医師は合併症の治療を行いますが、肝硬変によって生じた損傷は元に戻りません。

  • 肝硬変の患者には肝臓がんのリスクがあるため、超音波検査のほか、必要に応じてMRIかCT検査、および血液検査を定期的に行い、がんの有無を確認します。

肝硬変は、世界的に一般的な死因の1つとなっています。米国では、毎年約35,000人(多くは入院患者)が肝硬変の合併症によって死亡しています。

様々な病気、薬、または毒素により、肝臓が繰り返しまたは継続的に損傷を受けることがあります。損傷が突然生じたもの(急性)で限局的であれば、肝臓の細胞(肝細胞)が死んで、残された網目状の結合組織(内部構造)に新しくできた肝細胞が付着することで、肝臓の自己修復が進みます。十分に長く生き延びれば、肝臓は修復され、完全に回復します。しかし、損傷が繰り返されると、肝臓は損傷した組織を新しい組織で置き換えることで修復するようになり、その結果として瘢痕が生じます(肝臓の線維化)。瘢痕組織は何の機能も果たしません。線維化が広範で重度の場合、肝臓全体に帯状の瘢痕組織が形成され、肝臓の内部構造が破壊されて、肝臓の再生能力や機能が損なわれます。このような重度の瘢痕は肝硬変と呼ばれます。

肝機能が損なわれるため、肝臓は以下のことができなくなります。

  • 薬、毒素、体内で作られた老廃物を分解して除去する

  • 胆汁を処理する

  • 血液凝固を促すタンパク質(凝固因子)を作る

  • アルブミン(血管からの体液の漏出を防ぐタンパク質)を作る

肝臓は多くの薬、毒素、体内の老廃物を処理しています。肝臓ではこれらの物質が、より毒性の低い形や体から除去しやすい形に解されます。肝臓では、これらの物質が胆汁(肝臓の細胞によって作られる褐色または緑黄色の消化液)中に排泄されることにより除去されます。肝臓がこれらの物質を処理する能力が低いと、これらの物質は血流中に蓄積します。結果として、多くの薬や毒素の作用(ときに重篤な副作用もあります)が増加します。肝硬変になると、以前は有害な作用が生じなかった用量でも、このような副作用が起こる可能性があります。薬の使用中止や、通常より少ない用量での慎重な使用が必要になる場合があります。例えば、オピオイドや、不安や不眠症の治療に用いられる一部の薬などが挙げられます。ビリルビンは、重要な老廃物の1つで、肝臓で処理されて除去されます。肝臓が速やかにビリルビンを処理できないと、ビリルビンが血液に蓄積して、皮膚に沈着します。これにより黄疸(おうだん;眼や皮膚が黄色くなる症状)が生じます。

肝臓内では、作られた胆汁が細い管(胆管)に流れ込み、それらの管が集まって、大きな管が形成されます。この大きな管は、最終的に肝臓から出て、胆嚢(胆汁を貯蔵します)または小腸につながります。胆汁には、脂肪を腸で吸収しやすくしたり、毒素や老廃物を腸に運んで便中に排泄させたりする働きがあります。瘢痕組織によって胆管を通る胆汁の流れが遮断されると、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)を含めた脂肪が吸収されなくなります。さらに、体から排泄される毒素や老廃物の量も少なくなります。

正常であれば、胆汁の大部分(胆汁酸塩)は腸から血流に再吸収されて、肝臓に戻ります。胆汁酸塩は肝臓で抽出され、再利用されます。しかし、肝硬変になると、肝臓で胆汁酸塩が正常に抽出されません。その結果、肝臓で生産される胆汁の量が減少し、消化機能と毒素や老廃物を除去する機能が、さらに妨げられます。

瘢痕組織は、肝機能を損なうだけでなく、門脈(腸から肝臓に向かう静脈)から肝臓へ向かう血流を遮断することもあります。門脈が閉塞すると、門脈の血圧が上昇します(門脈圧亢進症)。門脈圧亢進症が起きると、胃、食道、直腸の静脈など、門脈につながる静脈の血圧が上昇します。

瘢痕化が進行するとともに、肝臓は縮んで小さくなります。

知っていますか?

  • 肝硬変では、皮膚や眼が黄色くなり、指先が肥大することがあります。

肝硬変の原因

米国や他の先進国における肝硬変の最も一般的な原因は、以下のものです。

慢性的なアルコール乱用によって肝臓に損傷が起きる仕組みの1つが、脂肪の蓄積(脂肪肝)です。飲酒によらない脂肪肝(非アルコール性脂肪肝と呼ばれます)は、通常は過体重の人、糖尿病または前糖尿病の人、コレステロール値が高い人で発生します。

線維化を引き起こす病気、薬、毒素(表「肝臓の線維化を引き起こす主な病態と薬剤」を参照)は、いずれも肝硬変を引き起こす可能性があります。具体的な原因の例としては、鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)や銅過剰症(ウィルソン病)、アルファ1-アンチトリプシン欠乏症といった特定の遺伝性代謝疾患(代謝異常症)のほか、原発性胆汁性胆管炎(PBC)原発性硬化性胆管炎(PSC)のように胆管に損傷が起きる病気などがあります。

アジアおよびアフリカの多くの地域では、肝硬変は多くの場合以下に起因します。

肝硬変の症状

肝硬変がある人の多くは、何年間も無症状のまま、元気そうにみえます。約3分の1の患者は無症状です。

その他の患者は、全身状態が優れなかったり、食欲不振だったり、体重が減ったりします。

  • 指先の肥大(ばち状指)がみられることもあります。

  • 黄疸が起きて、皮膚や白眼の部分が黄色くなることもあれば、尿がコーラのように黒く見えることもあります。

  • 脂肪や脂溶性ビタミンが吸収されにくい場合、便は色が薄く、柔らかくかさばり、脂っぽく異常な悪臭がするようになります(脂肪便)。

多くの患者で食欲がなくなり、脂肪やビタミン類が吸収されにくくなるため、栄養失調と体重減少がみられます。患者には、皮膚の小血管からの出血によって引き起こされる小さな点状またはより大きな斑点状の赤紫色の発疹がみられることがあります。

長期間にわたり肝機能が障害されている場合、患者は体中にかゆみを覚え、小さくて黄色い脂肪のかたまりが皮膚やまぶたに沈着することがあります。

肝硬変の原因が慢性のアルコール乱用である場合、または患者に慢性の肝疾患がある場合は、以下のような症状がみられることもあります。

  • 筋肉が衰える(萎縮)。

  • 手のひらが赤くなる(手掌紅斑)。

  • 手の腱が縮んで、指がねじ曲がる(デュピュイトラン拘縮)。

  • 皮膚に小さな、くものような形の血管(くも状血管腫)が現れる。

  • 頬の唾液腺が腫れる。

  • 脳と脊髄以外の神経(末梢神経)が正常に機能しない(末梢神経障害)。

  • 損傷を受けた肝臓はエストロゲン(女性ホルモン)を正常に分解できなくなるため、男性の場合、乳房が膨らみ(女性化乳房)、精巣が小さくなる(精巣萎縮)ことがある。わきの毛も少なくなる。

肝硬変の合併症

肝硬変が進行すると、さらに問題が生じます。

門脈圧亢進症

門脈圧亢進症(門脈の高血圧)は、最も重篤な合併症です。門脈につながっている静脈で血液の滞留が起こると、それらの静脈は拡張して蛇行するようになります(その状態を静脈瘤といいます)。静脈瘤は、食道の下端(食道静脈瘤)、胃(胃静脈瘤)、または直腸(直腸静脈瘤)に発生します。静脈瘤はもろく、容易に出血します。食道静脈瘤や胃静脈瘤から出血すると、ときに大量に吐血します(消化管出血を参照)。出血がゆっくりでも長時間続くと、貧血を起こすことがあります。出血が急速で重度であると、ショックや死に至ることがあります。

門脈肺高血圧症

門脈圧亢進症は肺動脈の血圧上昇を引き起こすことがあります(門脈肺高血圧症と呼ばれます)。その結果、呼吸困難(特に横たわっているとき)や疲労といった心不全の症状が現れます。

腹水

門脈圧亢進症および肝機能障害により、腹部に体液が貯留する(腹水)ことがあります。その結果、腹部が腫れてきつく感じることがあります。また、腹部の体液が感染を起こすこともあります(特発性細菌性腹膜炎)。

脂肪およびビタミンの吸収不良

長期にわたる、脂肪(特に脂溶性ビタミン)の吸収不良は、いくつかの問題を引き起こします。例えば、ビタミンDが十分に吸収されないと、骨粗しょう症になる可能性があります。ビタミンK(血液凝固を助ける)が吸収されにくいと、出血しやすくなることがあります。

異常な出血

肝硬変では、血液凝固を妨げるその他の問題も発生します(血液の凝固障害)。そういった問題の結果の1つに、出血しやすくなることが挙げられます。例えば、肝硬変では脾臓が腫大することがありますが、腫大した脾臓では、血球や血小板が捕らえられるようになります。その結果、血液凝固を助ける働きのある血小板が血液中で少なくなります。また、肝臓に損傷が起きると、血液凝固を促すタンパク質(凝固因子)を作り出す肝臓の能力が低下します。

一方で、肝臓の異常によって血液が凝固しやすくなる場合もあります。例えば、肝臓に損傷が起きると、過剰な血液凝固を抑制する物質を作り出す肝臓の能力が低下します。そのため、血栓が形成されることがあり、特に肝臓に血液を送っている血管(門脈または脾静脈)でよくできます。

感染リスクの上昇

腫大した脾臓が白血球を取り込むため、白血球数が減ること(白血球減少症と呼ばれる病態)もあります。白血球の数が少なくなり、肝臓での感染防御タンパク質の合成が減少すると、感染リスクが上昇します。

腎不全

肝不全は最終的に腎不全につながり、肝腎症候群と呼ばれる状態になる可能性があります。この症候群では、尿の生産量と排泄量が減少するため、血液中に有害物質が蓄積します。肝腎症候群の患者は、やがて呼吸困難に陥ります。この腎臓の異常は、透析が必要になるほど重症化する可能性があります。

脳機能の低下

肝不全になると、肝臓で血液から有害物質を除去することができなくなるため、脳機能が低下することがあります(肝性脳症と呼ばれます)。これらの有害物質は血流に乗って移動し、脳に蓄積されます。

肝臓がん

肝硬変の患者では、肝臓がん(肝細胞がん)が発生することがあります。肝臓がんを早期に発見できれば根治的な治療が可能になることから、肝硬変が発症した場合は、肝臓がんのモニタリング(サーベイランス[定期的評価]とも呼ばれます)が必須になります。

肝硬変の診断

  • 血液検査(肝臓の検査を含む)

  • ときに画像検査(超音波検査など)

  • ときに肝生検

医師は通常、患者の症状、身体診察の結果に加えて、慢性的なアルコール乱用といった肝硬変の危険因子の既往歴に基づき肝硬変を疑います。身体診察の際には、脾臓の腫大、腹部の膨隆(腹水が疑われます)、黄疸、皮膚内での出血を示す発疹など、肝硬変に典型的な徴候がしばしば見つかります。その後は通常、同様の症状がみられる別の病気がないか調べるための検査を行います。

臨床検査

医師は肝臓の評価のため、血液検査を行います。血液検査は比較的感度が低く、肝臓は損傷を受けても長期間機能を維持できるため、結果が正常であることもよくあります。肝臓は、機能が80%低下しても本来の機能を遂行できます。また、血算を行い、貧血や血小板数の減少、およびその他の血液の異常がないか調べます。血液検査では、肝炎や原因として考えられる他の異常がないかも調べます。

肝臓の画像検査

画像検査では、進行した肝硬変は特定できますが、早期の肝硬変はしばしば検出できません。

  • 超音波検査、CT検査、またはMRI検査により、肝硬変を示唆する肝臓の萎縮や構造的異常がないかを調べることができます。これらの検査では、門脈圧亢進症と腹水を検出できます。

  • 特殊な画像検査(トランジェントエラストグラフィー、磁気共鳴エラストグラフィー、音響放射力インパルス撮影)が早期の肝硬変の検出に役立ちます。

肝生検

それでも診断がはっきりしない場合、通常は肝生検(組織サンプルを採取して顕微鏡下に観察する検査)を行い、診断を確定します。生検やときには血液検査も肝硬変の原因の特定に役立ちます。

モニタリング

肝硬変の診断が確定したら、肝臓がんの有無を調べるために、超音波検査と場合により血液検査(肝臓に腫瘍がある可能性を示すアルファフェトプロテイン)を6カ月毎に行います。超音波検査でがんを示唆する異常が検出された場合は、造影剤(MRI画像またはX線画像に写る物質)を注射してからMRI検査またはCT検査を行います。

肝硬変の診断が確定したら、静脈瘤がないか確認するために、上部消化管の内視鏡検査(観察用の柔軟な管状の機器を使用する検査)が必要となる場合があり、特に血液検査や画像検査で門脈圧亢進症の徴候がみられる場合に行われます。この内視鏡検査は2~3年毎に繰り返します。静脈瘤が検出されたら、検査の頻度を増やします。

肝臓の状態を評価する血液検査を定期的に行っていきます。

肝硬変の予後(経過の見通し)

肝硬変はほぼ常に永続的で、肝硬変の原因を治療しない限り、進行を続ける可能性があります。どのくらい速く進行するかについては、多くの場合予測が困難です。肝硬変患者の予後は、原因、重症度、他の症状や病気の有無、治療の有効性によって変わります。

飲酒を完全にやめれば、肝臓のさらなる瘢痕化は防げます。たとえ少量でも飲酒を続けた場合は、肝硬変が進行し、重篤な合併症を引き起こします。

いったん大きな合併症(吐血、腹部への体液の貯留、脳機能の異常など)が起こると、予後は悪くなります。

肝硬変の治療

肝硬変には根治的な治療法がありません。ほぼ常に肝臓に永続的な損傷が生じ、正常な状態に戻る可能性は低いです。

治療には以下のものがあります。

  • アルコール乱用、薬の使用、毒素への曝露、ヘモクロマトーシス、慢性肝炎など、原因を是正または治療する

  • 合併症が起きた場合は、それを治療する

  • ときに肝移植

最善のアプローチは、原因を修正または治療することにより、初期段階で肝硬変を止めることです。原因の治療を行うと、通常、それ以上の損傷を防ぐことができ、ときには状態が改善することもあります。

原因に対する治療

A型肝炎およびB型肝炎のワクチンの接種を受けたことがなければ、これらを接種します。これらのワクチンは、これらのウイルスによるさらなる損傷(肝硬変をさらに悪化させる可能性のある損傷)から肝臓を保護する目的で接種されます。

肝硬変の進行を予防するため、たとえ肝臓の問題の主な原因がアルコールではない場合でも、飲酒を完全にやめるべきです(アルコール/治療を参照)。いったん肝硬変が起きると、たとえ少量でも、飲酒は肝臓に極めて有害となる可能性があります。離脱症状が出た場合は治療します。

肝臓に損傷が起きると薬を処理(代謝)できなくなる場合があるため、市販薬やハーブ製品、栄養補助食品なども含めて、使用している薬をすべて主治医に告げる必要があります。肝臓で代謝される薬の服用が必要なら、肝臓をさらに損傷しないよう、用量を通常よりも大幅に減らす必要があります。肝臓に損傷を与え肝硬変に寄与する薬を患者が服用している可能性もあります。そのような薬の使用は可能な限り中止し、必要に応じて別の薬に置き換えます。

ヘモクロマトーシスに対しては、瀉血(しゃけつ)が最善の治療法です。ウィルソン病に対しては、体内から銅を除去する薬剤を使用します。脂肪性肝疾患に対しては、減量が治療となり、糖尿病およびコレステロール高値は厳格にコントロールする必要があります。

慢性ウイルス性肝炎は抗ウイルス薬で治療し、自己免疫性肝疾患はコルチコステロイドまたは免疫系の働きに影響を与える他の薬剤で治療します。

一般に、進行した肝硬変の患者には肝移植が必要ですが、ときに肝硬変になる前であっても、肝疾患の特定の原因を治療するために肝移植が行われることがあります。

合併症の治療

合併症に対する治療としては以下のものがあります。

  • 腹部への体液の貯留(肝硬変が進行している場合)に対して:過剰なナトリウムは体液の貯留を助長するため、食事での塩分摂取を制限します。薬を使用することで、尿の量を増やすことにより、過剰な体液の排出を促すことができます。

  • ビタミン欠乏症に対して:ビタミンを補充

  • 肝性脳症に対して:腸内(便に含まれる)の毒素を吸着して除去するための薬と、毒素を作り出している消化管内の細菌を減らすための抗菌薬

  • 消化管の静脈瘤からの出血に対して:肝臓の血管内の血圧を下げるためにベータ遮断薬を服用するか、出血を起こしている血管を外科的にゴムバンドでしばる(内視鏡的結紮術)

バンドの取り付けは、口から内視鏡(観察用の管状の機器)を挿入して行います。ベータ遮断薬またはバンドによる結紮ができない、またはうまくいかない場合、医師は以下の処置を講じることがあります。

  • 内視鏡的シアノアクリレート注入:内視鏡を口から消化管に挿入します。内視鏡を介して、出血している静脈にシアノアクリレート(接着剤の一種)を注入します。シアノアクリレートが血管を閉じ、出血が止まります。

  • バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術:局所麻酔薬を注射した後、太い静脈(通常は頸部または鼠径部の静脈)の上の皮膚を小さく切開します。続いて、先端にしぼんだバルーンの付いた柔軟性のある管(カテーテル)を静脈に挿入し、出血部位に到達させます。バルーンを膨らませて血流を遮断します。その後、瘢痕組織を形成させる物質を、静脈またはその近くに注入してその静脈を遮断し、出血を止めます。

  • 経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(TIPS):首の静脈にカテーテルを挿入し、X線画像を見ながらカテーテルを肝臓の静脈に通します。カテーテルを使用して、門脈(またはその分枝)を複数ある肝静脈(肝臓から体で最も太い静脈に向かう静脈)のいずれかに直接つなぐ流路(シャント)を作ります。したがって、本来なら肝臓に向かう血液のほとんどが別の経路を通って肝臓を迂回するようになります。肝静脈の血圧は門脈の血圧より低いため、この処置を行うことにより、門脈の血圧が下がります。門脈の圧が下がることにより、消化管の静脈からの出血や腹部への体液の貯留が減少します。

肝移植

条件を満たす患者には、肝移植が行われることもあります。移植が成功すれば、通常、移植した肝臓は正常に機能し、肝硬変や肝不全の症状は消滅するはずです。進行した肝硬変または肝臓がんの患者は、肝移植によって救命できることがあります。肝移植は一般に、患者が肝移植を受けない場合の死亡確率に基づいて実施されます。

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