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食欲不振

執筆者:

Jonathan Gotfried

, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University

レビュー/改訂 2022年 1月
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食欲不振(食欲減退)には空腹感がないという意味があり、食欲不振の人にはものを食べたいという欲求がありません。対照的に、 神経性やせ症 神経性やせ症 神経性やせ症(anorexia nervosa)は、やせていることへの執拗なまでのこだわり、自分の体に対するイメージ(身体像)の歪み、肥満に対する極端なまでの恐怖、ならびに食事量の制限による著しい低体重を特徴とする 摂食障害です。 神経性やせ症は、通常は青年期に発症し、女性に多くみられます。 神経性やせ症の人は、体重が減り続けているにもかかわらず食事を制限する一方、頭の中は食べもののことにとらわれ、問題を抱えていることを否定する場合があ... さらに読む 神経性過食症 神経性過食症 神経性過食症は、大量の食べものを短時間に次から次へと摂取し(過食)、その後に食べ過ぎを埋め合わせる行為(例えば、排出行動、絶食、運動など)を行うことを特徴とする 摂食障害です。 患者は大量の食べものを摂取した後、食べ過ぎの埋め合わせをしようとして、意図的に嘔吐したり、下剤を使用したり、ダイエットや絶食をしたり、激しい運動をしたりします。 過度に体重を気にしたり、体重の変動が激しかったりする場合は、神経性過食症が疑われます。... さらに読む などの 摂食障害 摂食障害の概要 摂食障害とは、摂食または摂食に関連する行動に異常がみられる精神障害であり、典型的なものとして以下のものが挙げられます。 食べる物または食べる量の変化 食物が吸収されないようにするために取る手段(例えば、意図的に嘔吐する、下剤を使用する) 異常な摂食行動を精神障害とみなすには、その行動が一定期間持続していることに加えて、本人の身体的な健康や... さらに読む がある人は、空腹感があるにもかかわらず、体重増加を気にし過ぎて食事を制限したり食後に嘔吐したりします。

短期間の食欲不振は、ほぼすべての急性疾患に伴って起こるのが通常です。一方、長期間(慢性)の食欲不振は通常、がん、エイズ、慢性肺疾患、重度の心不全、腎不全、肝不全などの重篤な基礎疾患がある場合にのみ発生します。脳の中の食欲を調節している部分に障害が起きて食欲不振になることもあります。死期が近づいた人で食欲不振がよくみられます。ジゴキシン、フルオキセチン、キニジン、ヒドララジンなどの薬は食欲不振を引き起こします。

食欲不振は基礎疾患が判明している患者で最も多く起こります。原因不明の慢性の食欲不振は、何らかのよくない問題があることを医師に伝えるシグナルとなります。患者の症状を十分に評価して徹底した診察を行うことにより、原因が推測され、必要な検査に関する医師の判断に役立つことがよくあります。

根本的な原因を可能なかぎり治療します。患者の食欲増進に役立つ措置としては、好物の提供や柔軟な食事スケジュールのほか、患者が望む場合は食事の30分前にアルコール飲料を少量与えることなどがあります。特定の状況では、医師はシプロヘプタジン、低用量のコルチコステロイド、メゲストロール(megestrol)、ドロナビノール(dronabinol)などの薬を使って食欲の刺激を補助します。

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