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大腿骨頭すべり症(SCFE)

執筆者:

Frank Pessler

, MD, PhD, Helmholtz Centre for Infection Research

レビュー/改訂 2020年 10月
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大腿骨頭すべり症は,大腿骨端上における大腿骨頸部の上前方への移動である。診断は両股関節のX線による;ときに他の画像検査が必要となる。治療は外科的修復である。

大腿骨頭すべり症(SCFE)は通常青年期早期に起こり,選択的に男児に発生する。肥満が重大な危険因子である。遺伝因子も一因となる。SCFEは患者の5分の1で両側性であり,最多で患者の3分の2で片側性のSCFEが両側性になる。SCFEの正確な原因は不明であるが,おそらくは,外傷,ホルモン変化,炎症,または肥満による増強したずり応力に起因する可能性のある骨端軟骨(成長板)の脆弱化に関連すると考えられる。

症状と徴候

大腿骨頭すべり症の発症は通常潜行性で,症状はすべりの段階と関連する。SCFEの初発症状は安静で軽減する股関節の硬直であることがある;その後に跛行が続き,次いで大腿前内側から膝部へと下方に放散する股関節痛が起こる。最多で患者の15%に膝部または大腿部の疼痛がみられ,本当の問題(股関節)はすべりが悪化するまで見過ごされることがある。早期の股関節検査では疼痛も可動制限も認めないことがある。

パール&ピットフォール

  • 最多で大腿骨頭すべり症患者の15%に膝部または大腿部の疼痛がみられ,本当の問題(股関節)はすべりが悪化するまで見過ごされることがある。膝部または大腿部の疼痛を訴える大腿骨頭すべり症患者はせいぜい15%までであり,すべりがかなり悪化するまで見過ごされることがあるのが問題(股関節)である。

より進行した段階では,所見に,患側股関節を動かしているときの疼痛(屈曲,外転,および内旋の制限を伴う);特異的な膝部の異常を伴わない膝関節痛;跛行またはトレンデレンブルグ歩行などがみられることがある。患側の下肢は外旋する。患部への血液供給が妨げられれば,阻血性骨壊死および骨端部の圧潰が起こることがある。

診断

  • 単純X線

  • ときにMRIまたは超音波検査

進行したすべりの治療は困難であるため,大腿骨頭すべり症の早期診断が極めて重要である。X線は両股関節について,前後像およびカエル脚(frog-leg)肢位での側面像を撮影する。X線では,骨端線の拡大または明らかな大腿骨頭の後下方への転位がみられる。転位の判定に役立てるため,X線写真上で大腿骨頸部上縁にKlein線を引く。患側では大腿骨頭がKlein線より下にあるのに対し,健側では大腿骨頭の大部分がKlein線より上に位置する。

超音波検査およびMRIも有用である(特にX線で正常な場合)。

治療

  • 外科的修復

SCFEは通常は進行する;診断されればすぐに手術が必要である。患者はSCFEが除外または治療されるまで,患側の下肢に荷重負荷をかけるべきではない。外科的治療は,骨端軟骨を通したスクリュー固定から成る。

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