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小児における摂食の問題

執筆者:

Stephen Brian Sulkes

, MD, Golisano Children’s Hospital at Strong, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

レビュー/改訂 2019年 12月
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摂食の問題は,年齢相応の食欲の変動から, 神経性やせ症 神経性やせ症 神経性やせ症は,やせへの執拗な追求,肥満に対する病的な恐怖,身体像の歪み,および必要量に対する相対的な摂取量制限が有意な低体重につながっていることを特徴とする。診断は臨床的に行う。大半の治療は何らかの形態の精神療法および行動療法である。若年患者の治療では家族の関与が極めて重要である。オランザピンが体重増加に有用となることがある。 ( 摂食障害群に関する序論も参照のこと。) 神経性やせ症は主に女児および若年女性に生じる。通常,発症は青年期... さらに読む 神経性過食症 神経性過食症 神経性過食症は,反復する過食エピソードとそれに続く排出(自己誘発性嘔吐,下剤または利尿薬の乱用),絶食,衝動的運動などの不適切な代償行動を特徴とし,3カ月にわたり平均して週1回以上の頻度でエピソードがみられる。診断は病歴と診察に基づく。治療は精神療法および抗うつ薬による。 ( 摂食障害群に関する序論も参照のこと。) 神経性過食症は青年期および若年女性の約1.6%と同世代の男性の0... さらに読む 過食性障害 過食性障害 過食性障害は,自制心の喪失を感じながら大量の食物を摂取する反復するエピソードを特徴とする。その後には,自己誘発性嘔吐または下剤乱用などの不適切な代償行動はみられない。診断は臨床的に行う。治療は認知行動療法か,ときに対人関係療法またはリスデキサンフェタミンによる。 ( 摂食障害群に関する序論も参照のこと。) 一般集団では女性の約3.5%,男性の2%が生涯のうちに過食性障害に罹患する。... さらに読む などの重篤でときに生命を脅かすこともある 摂食障害 摂食障害群に関する序論 摂食障害群では,摂食または摂食に関連する行動に関して,以下のような持続的な障害が認められる: 食物の摂取または吸収を変容させる 身体的健康および/または心理社会的機能を大きく損なう 具体的な摂食障害群としては以下のものがある: 神経性やせ症 さらに読む まで多岐にわたる。摂食の問題は,過食および 肥満 小児 肥満とは,体重が過度に重い状態であり,BMI(body mass index)が30kg/m2以上である場合と定義されている。合併症として,心血管疾患(特に過剰な腹部脂肪のある人),糖尿病,特定のがん,胆石症,脂肪肝,肝硬変,変形性関節症,男女の生殖障害,精神障害,およびBMIが35以上の人での若年死などがある。診断... さらに読む につながることがある(青年期の肥満 青年期の肥満 青年期の肥満は,30年前と比較して今や倍増しており,青年クリニック受診の最も多い理由の1つである。肥満成人が青年期も肥満であった割合は3分の1以下であるが,肥満青年は,ほとんどの場合成人になっても肥満のままである。 肥満合併症の大半は成人で発現するが,肥満青年は肥満ではない同世代の者に比べ血圧が高い可能性が高い。肥満に関連するインスリン抵抗性により,青年期の2型 糖尿病の発生頻度が増加している。社会が肥満を恥ずべきものとしていることから... さらに読む も参照)。

幼児の親には,児が十分に食べていない,食べ過ぎている,不適切なものを食べている,特定の食べ物を拒否する,食事中に不適切な行動をとる(例,食べ物をこっそりペットに与える,食べ物を投げたり故意に落としたりする)などの心配事がしばしば生じる。

評価項目には,問題の発生頻度,持続時間,および程度を含める。身長と体重を測定して,適切なチャートにプロットする。しばしば,児が正常なペースで成長していることを示すチャートを親に見せることで,摂食に関する親の懸念が軽減する。

以下の場合は,重篤な摂食障害に対する評価を徹底的に行うべきである:

  • 小児が自身の外見や体重について根強い懸念を表明している

  • 体重が減少している

  • それまでの成長速度に比べて著しく速いペースで体重増加がみられるようになった

ただし,摂食の問題の大半は,成長や発達に干渉するほど長期間継続することはない。小児が健康そうに見え,成長も許容範囲内に収まっている場合は,親を安心させた上で,摂食に関連した衝突や強制を最小限に抑えるように勧める。実際には,むしろ親の長期化した過度の懸念が,その後の摂食障害に寄与することがある。摂食の強制を試みても,摂取量が増加する可能性は低く,小児は食べ物を口の中に含んでおいて後から吐き出したり,自ら嘔吐することもある。親は家族とともに食卓に着きながら食事をふるまうべきであり,このときテレビやペットなどの注意を逸らすものは排除し,児の前に食べ物を置く際には感情をほとんど表さないようにする。食べ物は20~30分後には下げ,その際には何を食べ何を残したかについての言及は避けるようにする。投げたり故意に床に落としたりした食べ物の後始末には,児を参加させるようにする。これらの方法と並行して,間食を午前と午後の1回ずつに制限することにより,通常は食欲と摂取量と栄養所要量の間の関係を正常に戻すことができる。

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