(成人における 緑内障の概要 緑内障の概要 緑内障は,不可逆的な視力障害につながりうる進行性の視神経損傷を特徴とする一群の眼疾患であり,重要な要因として眼圧の相対的上昇が関わっている。 緑内障は世界で,また米国で2番目に頻度が高い失明の原因であり,米国ではアフリカ系の人々およびヒスパニックの失明の原因として最多である。約300万人の米国人および世界で約6400万人が緑内障に罹患して... さらに読む も参照のこと。)
この疾患は乳児および幼児に発生し,片眼性の場合(40%)も両眼性の場合(60%)もある。眼圧は正常範囲(10~22mmHg)を超えて上昇する。緑内障は外傷または眼内手術(例,白内障手術)後の乳児に発生することもある。無虹彩症,Lowe症候群, スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群は,顔面のポートワイン母斑,軟膜血管腫,および神経合併症(例,痙攣発作,局所神経脱落症状,知的障害)を特徴とする先天性血管障害である。診断は臨床的に行う。治療は対症療法である。 スタージ-ウェーバー症候群は,50,000人に1人の頻度で発生する神経皮膚症候群である。スタージ-ウェーバー症候群は遺伝しない。染色体9q21にある さらに読む などの他の眼疾患に合併した緑内障は,続発性緑内障と呼ばれる。
房水の産生と流出
房水は虹彩後方の毛様体(後房)で産生され,眼の前部(前房)を通過し,流出管またはぶどう膜強膜路を通って流出する(矢印)。 |
原発性乳児緑内障または小児期早期の緑内障では,眼圧上昇により強膜および角膜のコラーゲンが伸張する可能性があるため,患側眼が腫大する。この腫大は成人緑内障では起こらない。径が増大した(12mmを超える)角膜は菲薄化し,ときに混濁を来す。乳児では流涙および羞明を呈することがある。無治療の場合,角膜の混濁は進行し,視神経の損傷(臨床的には視神経乳頭陥凹の拡大によって証明される)によって失明に至ることもある。
早期の外科的介入(例,隅角切開術,線維柱帯切開術,線維柱帯切除術)が治療の柱となる。