意見 同じトピックページ はこちら
炎症性腟炎とは,腟炎の原因となる感染の所見が認められない腟の炎症である。
(腟炎の概要も参照のこと。)
炎症性腟炎の病因は自己免疫性の場合がある。
腟上皮細胞が表面で脱落し,レンサ球菌が過剰増殖する。
炎症性腟炎の主な危険因子には以下のものがある:
性器萎縮により炎症性腟炎が起きやすくなり,再発リスクが高まる。
症状と徴候
膿性帯下,性交痛,排尿困難,および腟の刺激症状が一般的にみられる。腟のそう痒または発赤が生じることもある。灼熱感,痛み,または軽度の出血が起こる頻度はより低い。腟組織は外観上菲薄化し,乾燥している。腟炎は再発しうる。
診断
腟pHおよびウェットマウント
炎症性腟炎の症状は他の腟炎の症状と重複するため,検査(例,腟液pH測定,顕微鏡検査,臭気テスト)が必要である。
以下の場合に炎症性腟炎が診断される:
腟液pHが6を超える。
臭気テストが陰性である。
顕微鏡検査で白血球と傍基底細胞が主に認められる。
治療
クリンダマイシン腟クリーム
炎症性腟炎の治療は,クリンダマイシン腟クリーム(5g,毎夕,2週間)による。クリンダマイシンで治療した後,性器萎縮について評価する。性器萎縮がみられる場合には,外用エストロゲンで治療する(例,0.01%エストラジオール腟クリーム2~4g,1日1回,1~2週間,その後1~2g,1日1回,1~2週間,次に1g,週に1~3回;エストラジオール0.5水和物腟錠10μg,週2回;エストラジオールリング3カ月毎)。経口ホルモン療法の安全性に関する懸念により,外用療法が通常望ましい;外用療法は全身作用がより少ない可能性がある。
Test your KnowledgeTake a Quiz!