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骨盤内腫瘤

執筆者:

David H. Barad

, MD, MS, Center for Human Reproduction

レビュー/改訂 2020年 3月
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病因

骨盤内腫瘤は,婦人科臓器(子宮頸部,子宮体部,子宮付属器)または他の骨盤内臓器(小腸,膀胱,尿管,骨格筋,骨)に起因する可能性がある。

腫瘤の種類は年齢層によって異なる傾向にある:

評価

病歴

一般的な病歴および完全な婦人科歴を得る。

所見から骨盤内腫瘤の原因が示唆されることがある:

診察

全身状態の観察では,婦人科以外の疾患(例,消化管疾患,内分泌疾患)の徴候および腹水がないかを調べるべきである。一通りの婦人科診察を行う。

子宮腫瘤を付属器腫瘤と鑑別するのは困難なことがある。子宮内膜症性嚢胞は通常,付属器腫瘤である。進行した子宮内膜症は,可動性のないダグラス窩腫瘤として顕在化する可能性がある。付属器がん,良性腫瘍(例,良性嚢胞性奇形腫)および異所性妊娠による付属器腫瘤はしばしば可動性である。卵管留水腫は通常波動性で,圧痛があり,可動性がなく,ときに両側性である。

女児では,骨盤内臓器の腫瘤が腹部から触知できる場合があるが,これは,大きな腫瘤に対して骨盤が小さすぎるためである。

検査

腫瘤の存在や由来(婦人科的 vs 婦人科以外)が臨床的に確定できない場合は,画像検査により通常確定できる。通常,まず骨盤内超音波検査を施行する。

妊娠可能年齢の女性における,単発性で嚢胞壁の薄い5~8cm大の嚢胞性付属器腫瘤(通常はグラーフ卵胞嚢胞)は,3回の月経周期を超えて持続するものや中等度から重度の疼痛を伴うものでない限り,さらに検査を行う必要はない。

International Ovarian Tumor Analysis(IOTA)グループは,手術が必要と考えられる卵巣腫瘍またはその他の付属器腫瘍を有する女性においてがんのリスクを術前に評価するためのSimple Rulesを開発した。分類は10項目の超音波所見の有無に基づき,他の分類スコアよりも感度および特異度が高い。2016年には,IOTAのSimple Rulesが更新され,iPhoneやAndroid端末で使用できる,リスク計算ツール(SRrisk)が追加された(1 評価に関する参考文献 骨盤内腫瘤がルーチンの婦人科診察で見つかることがある。骨盤内腫瘤は良性の場合も 悪性の場合もある。 骨盤内腫瘤は,婦人科臓器(子宮頸部,子宮体部,子宮付属器)または他の骨盤内臓器(小腸,膀胱,尿管,骨格筋,骨)に起因する可能性がある。 腫瘤の種類は年齢層によって異なる傾向にある:... さらに読む 評価に関する参考文献 )。

超音波検査で腫瘤の大きさ,位置,硬さが明確に捉えられなければ,別の画像検査(例,CT,MRI)でそれができる可能性がある。

評価に関する参考文献

要点

  • 骨盤内腫瘤の種類は年齢層によって異なる傾向にある。

  • 妊娠可能年齢の女性では,対称性の子宮増大の最も一般的な原因は妊娠であるが,それ以外で頻度の高い骨盤内腫瘤の原因は筋腫と機能性卵巣嚢胞である。

  • 閉経後女性では,腫瘤が悪性である可能性が高い。

  • 妊娠可能年齢の女性では,妊娠検査を行う。

  • 臨床的評価で結論が出ない場合は,画像検査を行う;通常はまず骨盤内超音波検査を施行する。

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