円錐角膜

執筆者:Melvin I. Roat, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University
レビュー/改訂 2020年 5月
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    円錐角膜は角膜の隆起性変形で,視力障害を引き起こす。

    円錐角膜は緩徐進行性に角膜が薄くなり隆起するもので,通常は両側性で10~25歳の間に発症する。原因は不明である。

    危険因子としては以下のものがある:

    角膜が歪んだ円錐形を呈するため,角膜の屈折特性が大きく変化し(不正乱視),眼鏡で完全には矯正できないことがある。進行性円錐角膜では,頻回に眼鏡を変える必要がある。コンタクトレンズの方が視力矯正は良好であるため,眼鏡に満足しない場合は試みるべきである。コンタクトレンズによる矯正視力が不十分な場合,コンタクトレンズ装用に耐えられない場合,または視力低下を引き起こす角膜瘢痕(実質線維が裂けることによる)を認める場合は,角膜移植術が必要となることがある。

    新しい治療法ではコンタクトレンズの耐性が増すことで視力が改善するため,一部の患者では移植を回避することができる。具体的には,円錐角膜の周辺部を押し上げて円錐角膜の傾斜を相対的に小さくすることを目指した角膜内リングの移植や,紫外線照射により角膜を強化して角膜のさらなる菲薄化および隆起を予防する角膜コラーゲンクロスリンキングなどがある。

    角膜疾患に関する序論も参照のこと。)

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