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上強膜炎

執筆者:

Melvin I. Roat

, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

レビュー/改訂 2019年 10月
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上強膜炎は,再発性で,通常は特発性の自然に治癒する上強膜組織の炎症であり,視力を脅かすことはない。症状は,眼球の限局性の充血,刺激症状,および流涙である。診断は臨床的に行う。治療は対症療法である。

上強膜は結膜と強膜の間の血管に富む薄い組織である。

軽度の刺激症状が生じる。さらに,鮮赤色の斑点が眼球結膜直下に現れる(単純性上強膜炎)。充血および浮腫を伴う隆起した結節(結節性上強膜炎)がみられることもある。眼瞼結膜は正常である。

上強膜炎は,充血が眼球の一部に限局し,流涙がはるかに少なく眼脂がないことで, 結膜炎 結膜炎の概要 結膜の炎症は典型的には,感染,アレルギー,または刺激により起こる。症状は,結膜充血および眼脂,ならびに病因によっては不快感およびそう痒である。診断は臨床的に行う;ときに培養が適応となる。治療は病因に基づき,抗菌薬,抗ヒスタミン薬,肥満細胞安定化薬,およびコルチコステロイドの局所投与などがありうる。 感染性結膜炎は ウイルス性結膜炎または 細菌性結膜炎が最も多く,伝染性である。まれに,病原体が混合性または同定不能な場合がある。多数のアレル... さらに読む と鑑別される。羞明および重度の疼痛を欠くことにより, 強膜炎 強膜炎 強膜炎は重度かつ破壊的な視力を脅かす炎症で,上強膜深層および強膜を侵す。症状は,中等度から著明な痛み,眼球の充血,流涙,および羞明である。診断は臨床的に行う。治療はコルチコステロイドおよび場合によっては免疫抑制薬の全身投与による。 強膜炎は,30~50歳の女性に最もよくみられ,多くは, 関節リウマチ, 全身性エリテマトーデス, 結節性多発動脈炎, 多発血管炎性肉芽腫症(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていた),または... さらに読む 強膜炎 と鑑別される。

本疾患は自然治癒する。システムレビュー(review of systems)から基礎にある原因が示唆されない場合は,全身性疾患に対する診断評価をルーチンに行う根拠はない。

コルチコステロイドの局所投与(例,1%酢酸プレドニゾロン点眼,1日4回を7日間,3週間かけて漸減)または非ステロイド系抗炎症薬の経口投与により,通常は発症期間が短縮する;コルチコステロイドは通常眼科医によって処方される。外見を改善するための血管収縮薬(例,テトラヒドロゾリン,ブリモニジン酒石酸塩0.025%)の局所投与は任意であるが,常用すると,リバウンドにより充血が悪化することがある。

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