ケロイド

執筆者:Denise M. Aaron, MD, Dartmouth Geisel School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 9月
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ケロイドは線維芽組織が過剰増殖した平滑な病変で,通常は損傷部位(例,裂傷,手術瘢痕,体幹のざ瘡)に生じるが,ときに自然発生することもある。

ケロイドは皮膚の色の濃い患者でより多くみられる。体幹上部(特に上背部および前胸部中央)と三角筋領域に好発する傾向がある。肥厚性瘢痕とは異なり,ケロイドの瘢痕組織は創傷または損傷の範囲を越えて拡大する。ケロイドは自然に出現することもある。

ケロイドの様々な臨床像
耳および顔面のケロイド
耳および顔面のケロイド
この写真には,イヌ咬傷後に耳および須毛部に生じたケロイドが写っている。

© Springer Science+Business Media

ケロイド
ケロイド
ケロイドは,損傷部位に生じるほか,自然に発生することもある肥厚組織であり,表面は平滑で光沢があり,形状はドーム状のことが多く,色調は淡いピンク色であるか,色素増強がある。

Image provided by Thomas Habif, MD.

ケロイド瘢痕
ケロイド瘢痕
肥厚性瘢痕との鑑別点として,ケロイドは当初の創縁を越えて拡大し,正常な皮膚に浸潤する。この患者では,腹腔内手術を受けた後に,前腹壁に大きなケロイド瘢痕が多発性に生じた。

© Springer Science+Business Media

ケロイドは光沢があり,硬く平滑で,通常は卵円形であるが,ときに収縮ないし翼状を呈することもあり,色調は淡いピンク色を呈するか,色素沈着がみられる。

ケロイドの診断

  • 臨床的評価

ケロイドの診断は臨床的に行う。

ケロイドの治療

  • ときにコルチコステロイド注射,切除,ゲルシートの適用,および/または免疫調節薬

ケロイドの治療は無効に終わることが多い。

月1回の頻度で病変内にコルチコステロイドを注射することで(例,トリアムシノロンアセトニド5~40mg/mL),ときにケロイドが平坦化することがある。

外科的手技またはレーザーによる切除で病変の体積を減らすことができるが,通常は再発して以前より大きくなる。切除する場合は,コルチコステロイドの病変内注射を術前または術後に複数回行うことで,治療成功の可能性が高まる。このほかにも再発予防を目的とする補助的手段として,ゲルシート(架橋ポリメチルシロキサンポリマーまたはシリコンでできた柔軟な半閉鎖性ドレッシング材を適用する)や圧迫を加えるカバーがある。

最近では,ケロイドの発生または再発を予防する目的で免疫調節薬(例,外用イミキモド)が使用されている。

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