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皮膚病変の記載

執筆者:

Julia Benedetti

, MD, Harvard Medical School

レビュー/改訂 2019年 2月
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本ページのリソース

皮膚病変の記載を標準化するために,以下のような多数の用語が考案されている:

発疹(rash)とは一過性の皮疹を総称する用語である。

皮膚とその構造物の断面図

皮膚とその構造物の断面図

病変の種類(一次的形態)

斑(macule)は,平坦で触知不能な病変であり,通常は直径10mm未満である。斑(macule)は色調の変化の現れであり,皮膚表面から隆起も陥凹もしない。斑(patch)とは大きな斑(macule)のことである。その例としては,そばかす,平坦なほくろ,刺青, ポートワイン血管腫 毛細血管奇形 毛細血管奇形は,生下時から存在し,ピンク色,紅色,または紫色の平坦な病変として認められる。 ポートワイン血管腫は,出生時から存在する毛細血管奇形であり,紅色から紫色の平坦な病変として,全身のあらゆる部位に出現する可能性がある。 この写真には,三叉神経の第1枝(V1)を巻き込んだポートワイン血管腫のある乳児が写っている。 ポートワイン血管腫は,赤色調から紫色の平坦な病変であり,全身のあらゆる部位に出現しうる。病変は時間とともに色が濃くなり... さらに読む 毛細血管奇形 リケッチア感染症 リケッチアとその近縁微生物による感染症の概要 リケッチア感染症(リケッチア症)とその関連疾患(アナプラズマ症,エーリキア症,Q熱,ツツガムシ病)は,偏性細胞内寄生性のグラム陰性球桿菌の一群によって引き起こされる。Coxiella burnetiiを除く全てが節足動物によって媒介される。症状は通常,重度の頭痛を伴う突然の発熱,倦怠感,極度の疲労と,大半の症例でみられる特徴... さらに読む リケッチアとその近縁微生物による感染症の概要 風疹 風疹 ( Professional.See also page 先天性風疹。) 風疹は,リンパ節腫脹と発疹のほか,ときに全身症状(通常は軽度かつ短期間)を引き起こす,感染性の強いウイルス感染症である。妊娠早期に感染すると,自然流産,死産,または先天性感染症につながる可能性がある。診断は通常臨床的に行う。症例は公衆衛生当局に報告する。通常,治療は不要である。ワクチン接種が予防に効果的である。... さらに読む 風疹 麻疹 麻疹 麻疹は,小児で最も多くみられる感染性の高いウイルス感染症である。発熱,咳嗽,鼻感冒,結膜炎,口腔粘膜の粘膜疹(コプリック斑),および頭尾方向に拡大する斑状丘疹状皮疹を特徴とする。診断は通常,臨床的に行う。治療は支持療法による。予防接種が非常に効果的である。 ヒトに感染するウイルスの大半は成人と小児の両方に感染するが,それらについては本マニュアルの別の箇所で考察されている。新生児に特異的な影響を及ぼすウイルスについては,... さらに読む 麻疹 (丘疹および局面も生じることがある)の発疹,一部のアレルギー性 薬疹 薬疹および薬物反応 薬剤は様々な皮疹や皮膚反応を引き起こすことがある。そのうち最も重篤なものとしては,本マニュアルの別の箇所で考察しているように, スティーブンス-ジョンソン症候群と 中毒性表皮壊死融解症, 過敏症症候群, 血清病, 剥脱性皮膚炎, 血管性浮腫, アナフィラキシー, 薬剤性血管炎などがある。 また, 脱毛, 扁平苔癬, 結節性紅斑, 色素病変, 全身性エリテマトーデス, 光線過敏反応,... さらに読む 薬疹および薬物反応 などが挙げられる。

丘疹(papule)は,通常直径10mm未満の触知可能な隆起性病変である。その例としては,母斑,疣贅, 扁平苔癬 扁平苔癬 扁平苔癬は,そう痒を伴う再発性の炎症性発疹が生じる疾患で,平坦に隆起した多角形で紫色のはっきりした小丘疹を特徴とし,それらが融合して表面のざらざらした鱗屑を伴う局面を形成することがあり,しばしば口腔病変や性器病変を伴う。診断は通常臨床的に行い,皮膚生検で裏付けが得られる。一般に,治療にはコルチコステロイドの外用または病変内注射が必要となる。重症例では光線療法,またはコルチコステロイド,レチノイド,もしくは免疫抑制薬の全身投与が必要になる... さらに読む 扁平苔癬 ,虫刺症, 脂漏性角化症 脂漏性角化症 脂漏性角化症は,しばしば色素沈着を伴う表在性の上皮性病変で,通常は疣状であるが,平滑な丘疹として生じることもある。 脂漏性角化症の原因は不明であるが,特定の病型では遺伝子変異が同定されている。一般的に病変は中年以降に生じ,体幹および側頭部に好発する。皮膚の色の濃い人々では,1~3mm大の病変が頬骨上に多発することがあり,この病態は黒色丘疹性皮膚症(dermatosis papulosa... さらに読む 脂漏性角化症 日光角化症 日光角化症 日光の慢性効果としては光老化,日光角化症,皮膚悪性腫瘍などがある。( 日光による影響の概要も参照のこと。) 慢性的な日光曝露は皮膚の老化(光老化,外因性老化)を引き起こすが,これは主に,様々な生化学的異常やDNA損傷により皮膚コラーゲンが破壊されることで起きる。皮膚の変化としては,細かいしわと粗いしわ,ゴワゴワした皮革様の質感,斑状の色素沈着,黒子(大きなそばかすに似た斑),黄ばみ,毛細血管拡張などがある。... さらに読む  日光角化症 ,一部の ざ瘡 尋常性ざ瘡 尋常性ざ瘡は,毛包脂腺系(毛包とそれに付属する皮脂腺)の閉塞および炎症の結果として,面皰,丘疹,膿疱,結節,嚢腫などが形成される病態である。ざ瘡は顔面および体幹上部に生じる。青年期に最も多くみられる。診断は診察による。治療には重症度に応じて,皮脂産生,面皰形成,炎症,および細菌増殖を抑制すると同時に角化を正常化させることを目的とした,多岐... さらに読む 尋常性ざ瘡 病変, 皮膚悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍の概要 皮膚悪性腫瘍は最も頻度の高い悪性腫瘍であり,一般的には露光部の皮膚に生じる。その発生率は戸外労働者,スポーツ愛好者,および日光浴愛好者で高く,皮膚のメラニン色素量と反比例し,皮膚の色の薄い人々が最も罹患しやすい。皮膚悪性腫瘍はまた,治療目的のX線照射または発がん物質への曝露(例,ヒ素の摂取)から何年も経過して発生することもある。... さらに読む などがある。斑状丘疹状(maculopapular)という用語は,多発した紅色の発疹を記載するためにしばしば漫然と不適当に用いられており,この用語は非特異的で誤用されやすいため,使用を控えるべきである。

局面(plaque)は,直径が10mmを超える触知可能な病変で,皮膚表面から隆起または陥凹している。局面は上部が平坦なこともあれば,丸みを帯びていることもある。 乾癬 乾癬 乾癬は,銀白色の鱗屑で覆われた境界明瞭な紅色の丘疹および局面として生じることが最も多い炎症性疾患である。遺伝因子を含めて,複数の因子が寄与する。よくみられる誘因として,外傷,感染,特定の薬剤などがある。症状は通常軽微であるが,軽度から重度のそう痒が生じることがある。整容的な面で重大となることがある。疼痛を伴う関節炎を合併する重症例もある(... さらに読む 乾癬 および 環状肉芽腫 環状肉芽腫 環状肉芽腫は,丘疹または結節が遠心性に拡大して,正常またはわずかに陥凹した皮膚の周囲に環状の病変を形成することを特徴とする,良性かつ慢性の特発性疾患である。診断は臨床的評価のほか,ときに生検による。治療はコルチコステロイドの外用または病変内注射,タクロリムスの外用,凍結療法,および光線療法による。 環状肉芽腫の病因は不明であるが,提唱されている機序としては,細胞性免疫(IV型),免疫複合体性血管炎,および組織単球の異常などがある。環状肉... さらに読む 環状肉芽腫 の病変は,一般的に局面を形成する。

結節(nodule)は,硬い丘疹ないしは真皮または皮下組織に及ぶ病変である。その例としては, 嚢腫 皮膚嚢腫 表皮封入嚢腫は最も頻度の高い皮膚嚢腫である。稗粒腫は小さな表皮封入嚢腫である。外毛根鞘嚢腫は通常,頭皮に生じ,家族性にみられることがある。 良性の皮膚嚢腫は,嚢腫壁または嚢腫内壁の組織学的特徴と解剖学的な位置によって分類される。触診では,嚢腫は硬く,球状で可動性があり,圧痛はない;直径は通常様々で最大5cmである。良性の皮膚嚢腫にはいくつかの種類がある: 表皮封入嚢腫 稗粒腫... さらに読む 皮膚嚢腫 脂肪腫 脂肪腫 脂肪腫は,脂肪細胞で構成される可動性のある軟らかい皮下結節であり,表面を覆う皮膚は正常に見える。 この写真には,四肢に生じた脂肪腫が写っている。 脂肪腫は非常に頻度の高い良性腫瘍であり,通常は単発性であるが,脂肪腫が多発する患者もいる。好発部位は四肢近位部,体幹,および頸部である。多発性の脂肪腫は,家族性である場合もあれば,様々な症候群と関連している場合(例,遺伝性疾患)もある。... さらに読む 脂肪腫 線維腫 皮膚線維腫 皮膚線維腫は,赤色から褐色の小さな硬い丘疹または結節で,線維芽組織で構成される。通常は大腿部または下肢に発生するが,どこにでも生じうる。 この写真には,皮膚線維腫と一致する色素沈着を伴う小さな病変が写っている。 皮膚線維腫は成人に多く,女性でその傾向が強い。原因はおそらく遺伝的なものである。病変は通常,直径0.5~1cmで硬く,軽くつまむと内側に陥凹することがある。大半の病変は自覚症状を伴わないが,一部は軽微な外傷後にそう痒や潰瘍形成を... さらに読む 皮膚線維腫 などが挙げられる。

小水疱(vesicle)とは,内部が透明な液体で満たされた水ぶくれのうち,直径が10mm未満のものである。小水疱は,ヘルペスウイルス感染症, 急性アレルギー性接触皮膚炎 アレルギー性接触皮膚炎(ACD) 接触皮膚炎は,刺激物(刺激性接触皮膚炎)またはアレルゲン(アレルギー性接触皮膚炎)との直接接触によって皮膚の炎症が生じる疾患である。症状としては,そう痒のほか,ときに灼熱痛などがみられる。皮膚の変化としては,紅斑,鱗屑,皮膚の腫脹のほか,ときに水疱形成や潰瘍形成などがみられる。局在は接触部位に依存する。診断には曝露歴と診察所見のほか,ときにパッチテストの結果も用いられる。治療法としては,コルチコステロイドの外用,止痒薬,刺激物およびアレ... さらに読む アレルギー性接触皮膚炎(ACD) ,一部の自己免疫性水疱症(例, 疱疹状皮膚炎 疱疹状皮膚炎 疱疹状皮膚炎は,セリアック病と強い関連がみられ,強いそう痒を伴う丘疹水疱性の皮疹を特徴とする慢性自己免疫性疾患である。典型的な所見は,強いそう痒を伴う紅斑性の蕁麻疹様病変と小水疱,丘疹,および水疱の集簇であり,通常それらは四肢伸側に左右対称に分布する。診断は皮膚生検と直接蛍光抗体法による。治療は通常,ジアフェニルスルホンまたはスルファピリジンとグルテン除去食による。 疱疹状皮膚炎は若年成人に発生することが多いが,小児や高齢者に生じること... さらに読む 疱疹状皮膚炎 )で特徴的である。

水疱(bulla)とは,内部が透明な液体で満たされた水ぶくれのうち,直径が10mm以上のものである。熱傷,虫刺症, 刺激性接触皮膚炎 刺激性接触皮膚炎(ICD) 接触皮膚炎は,刺激物(刺激性接触皮膚炎)またはアレルゲン(アレルギー性接触皮膚炎)との直接接触によって皮膚の炎症が生じる疾患である。症状としては,そう痒のほか,ときに灼熱痛などがみられる。皮膚の変化としては,紅斑,鱗屑,皮膚の腫脹のほか,ときに水疱形成や潰瘍形成などがみられる。局在は接触部位に依存する。診断には曝露歴と診察所見のほか,ときにパッチテストの結果も用いられる。治療法としては,コルチコステロイドの外用,止痒薬,刺激物およびアレ... さらに読む 刺激性接触皮膚炎(ICD) アレルギー性接触皮膚炎 アレルギー性接触皮膚炎(ACD) 接触皮膚炎は,刺激物(刺激性接触皮膚炎)またはアレルゲン(アレルギー性接触皮膚炎)との直接接触によって皮膚の炎症が生じる疾患である。症状としては,そう痒のほか,ときに灼熱痛などがみられる。皮膚の変化としては,紅斑,鱗屑,皮膚の腫脹のほか,ときに水疱形成や潰瘍形成などがみられる。局在は接触部位に依存する。診断には曝露歴と診察所見のほか,ときにパッチテストの結果も用いられる。治療法としては,コルチコステロイドの外用,止痒薬,刺激物およびアレ... さらに読む アレルギー性接触皮膚炎(ACD) ,薬疹などで生じることがある。古典的な自己免疫性水疱症としては, 尋常性天疱瘡 尋常性天疱瘡 尋常性天疱瘡は,一見正常な皮膚および粘膜に表皮内水疱と広範なびらんを生じることを特徴とし,死に至ることもある,まれな自己免疫疾患である。診断は皮膚生検と直接蛍光抗体法,間接蛍光抗体法,および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)による。治療はコルチコステロイドのほか,ときに他の免疫抑制療法による。 水疱とは,内部を液体で満たされた隆起性の発疹のうち,直径が10mm以上のものである。... さらに読む 尋常性天疱瘡 水疱性類天疱瘡 水疱性類天疱瘡 水疱性類天疱瘡は,高齢患者でそう痒を伴う水疱性病変が全身に現れる慢性の自己免疫性皮膚疾患である。粘膜が侵されることはまれである。診断は皮膚生検と皮膚および血清での蛍光抗体法による。治療では,まずコルチコステロイドを外用および全身投与で使用する。ほとんどの患者に長期の維持療法が必要であり,そこでは様々な免疫抑制薬が使用される可能性がある。 水疱とは,内部を液体で満たされた隆起性の発疹のうち,直径が10mm以上のものである。... さらに読む 水疱性類天疱瘡 などがある。水疱は皮膚の脆弱化を来す遺伝性疾患でも生じることがある。

膿疱(pustule)は,内部に膿を含んだ水疱である。膿疱は一般的に細菌感染および毛包炎でみられるが, 膿疱性乾癬 乾癬の亜型 乾癬の亜型 などの一部の炎症性疾患でも生じることがある。

蕁麻疹(urticaria) 蕁麻疹 蕁麻疹は,そう痒と紅斑を伴って皮膚に生じる移動性の境界明瞭な局面で構成される。 蕁麻疹は 血管性浮腫を伴うことあるが,これは真皮深層と皮下組織の肥満細胞および好塩基球が活性化されることで生じるもので,顔面および口唇,四肢,または性器の浮腫として現れる。血管性浮腫は腸管内で発生することもあり,その場合は仙痛性の腹痛がみられる。喉頭浮腫または舌腫脹のために気道閉塞が生じると,血管性浮腫は生命を脅かす事態になることがある。... さらに読む 蕁麻疹 (膨疹[wheal]またはみみずばれ[hives])は,限局性の浮腫によって生じる隆起性病変を特徴とする。膨疹はそう痒と発赤を伴う。膨疹は薬物過敏症,刺咬症,および自己免疫疾患でよくみられる症状であるほか,比較的頻度が低くなるが,温度,圧迫,日光などの物理的刺激でも生じる。典型的な膨疹の持続時間は24時間未満である。

鱗屑(scale)は,角化上皮が厚く堆積したもので, 乾癬 乾癬 乾癬は,銀白色の鱗屑で覆われた境界明瞭な紅色の丘疹および局面として生じることが最も多い炎症性疾患である。遺伝因子を含めて,複数の因子が寄与する。よくみられる誘因として,外傷,感染,特定の薬剤などがある。症状は通常軽微であるが,軽度から重度のそう痒が生じることがある。整容的な面で重大となることがある。疼痛を伴う関節炎を合併する重症例もある(... さらに読む 乾癬 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎は,皮脂腺の密度が高い部位(例,顔面,頭皮,胸骨)の皮膚に生じる一般的な炎症性疾患である。原因は不明であるが,皮膚に常在する酵母様真菌であるMalassezia属真菌が重要な役割を果たしている。脂漏性皮膚炎はHIV感染患者と特定の神経疾患を有する患者で頻度の増加がみられる。脂漏性皮膚炎では,ときにそう痒,フケ,ならびに頭皮,髪際部,および顔面の黄色調かつ脂ぎった鱗屑が生じる。診断は診察により行う。治療は抗真菌薬... さらに読む 脂漏性皮膚炎 ,真菌感染症などの疾患で生じる。 ばら色粃糠疹 ばら色粃糠疹 ばら色粃糠疹は,鱗屑を伴うびまん性の丘疹または局面を特徴とする自然に軽快する炎症性疾患である。通常,治療は不要である。 ばら色粃糠疹は10~35歳の年齢層に好発する。女性に多くみられる。ばら色粃糠疹の原因はウイルス感染である可能性がある(一部の研究でヒトヘルペスウイルス6型,7型,8型の関与が示唆されている)。薬剤によってばら色粃糠疹様の反応が引き起こされることもある。 最初に,ほとんどの患者で鱗屑を伴う単一の大きな斑(ヘラルドパッチ;... さらに読む ばら色粃糠疹 やあらゆる病型の慢性皮膚炎も鱗屑を伴うことがある。

びらん(erosion)は,表皮の一部または全層の欠損により生じた皮膚の露出面である。びらんは外傷で生じることもあれば,種々の炎症性または感染性皮膚疾患で生じることもある。表皮剥離(excoriation)は,掻破,擦る,つまむなどの行為によって生じる線状のびらんである。

潰瘍(ulcer)は,表皮に加えて真皮の少なくとも一部が欠損することによって生じる。その原因としては, 静脈うっ滞性皮膚炎 うっ滞性皮膚炎 うっ滞性皮膚炎は,慢性浮腫によって典型的には下腿の皮膚に炎症が生じる疾患である。症状はそう痒,鱗屑,および色素沈着である。合併症として潰瘍形成が生じることがある。診断は臨床的に行う。治療は浮腫の原因に対して行い,潰瘍形成を予防する。 ( 皮膚炎の定義も参照のこと。) うっ滞性皮膚炎は,例えば 慢性静脈不全症, 右心不全, リンパ浮腫などにより慢性浮腫が起きている患者に発生する。毛細血管圧の上昇とそれに続く微小血管の内皮の破綻によりフィブ... さらに読む うっ滞性皮膚炎 ,ときに血管障害を伴う物理的外傷(例, 褥瘡 褥瘡 褥瘡(pressure ulcer)とは,骨突出部と体外の硬い表面の間で軟部組織が圧迫された領域に生じる壊死および潰瘍である。持続的な機械的圧迫に摩擦,ずれ力,湿潤が組み合わさって生じる。危険因子としては,年齢65歳以上,循環および組織灌流の障害,体動不能,低栄養,感覚低下,失禁などがある。重症度としては,圧迫しても消退しない皮膚の紅斑か... さらに読む 褥瘡 または 末梢動脈疾患 末梢動脈疾患 末梢動脈疾患(PAD)とは,虚血を引き起こす四肢(ほぼ常に下肢)の動脈硬化症である。軽度のPADは無症状のこともあれば,間欠性跛行を引き起こすこともあり,重度のPADは安静時痛とそれに随伴する皮膚萎縮,脱毛,チアノーゼ,虚血性潰瘍,壊疽を引き起こすことがある。診断は病歴聴取,身体診察,および足関節上腕血圧比の測定による。軽度のPADに対する治療法としては,危険因子の是正,運動,抗血小板薬,症状に応じたシロスタゾールや,ときにペントキシフ... さらに読む 末梢動脈疾患 により引き起こされるもの),感染症, 血管炎 皮膚血管炎 皮膚血管炎は,内臓ではなく皮膚および皮下組織の小型または中型の血管を侵す血管炎のことを指す。皮膚血管炎は,皮膚に限局する場合もあれば,原発性または二次性の全身性血管炎疾患の一要素である場合もある。紫斑,点状出血,または潰瘍が生じることがある。診断には生検が必要である。治療法は病因および疾患の範囲によって異なる。 ( 血管炎の概要も参照のこと。) 血管炎は皮膚の小型または中型の血管を侵すことがある。皮膚の小型の血管(例,細動脈,毛細血管,... さらに読む 皮膚血管炎 などがある。

点状出血(petechia)は,圧迫しても消退しない点状の出血巣である。その原因としては,血小板異常(例,血小板減少, 血小板機能不全 血小板疾患の概要 血小板は,凝固系で機能する細胞片である。トロンボポエチンは,その細胞質から血小板を産生・分離する巨核球を産生するよう骨髄を刺激することによって,循環血小板の数をコントロールすることに役立っている。トロンボポエチンは,肝臓において一定のペースで産生され,その循環血中濃度は,循環血小板が除去される程度のほか,おそらく骨髄の巨核球によって規定さ... さらに読む 血小板疾患の概要 ), 血管炎 血管炎の概要 血管炎は血管の炎症であり,しばしば虚血,壊死,および臓器の炎症を伴う。血管炎は,あらゆる血管,すなわち動脈,細動脈,静脈,細静脈,または毛細血管を侵すことがある。具体的な血管炎疾患の臨床像は多彩であり,侵された血管の太さおよび部位,臓器病変の範囲,ならびに血管外の炎症の程度およびパターンによって異なる。... さらに読む 血管炎の概要 ,感染症(例,髄膜炎菌血症, ロッキー山紅斑熱 ロッキー山紅斑熱(RMSF) ロッキー山紅斑熱(RMSF)は,Rickettsia rickettsiiによって引き起こされ,マダニによって伝播される。症状は高熱,重度の頭痛,および発疹である。 ( リケッチアとその近縁微生物による感染症の概要も参照のこと。) ロッキー山紅斑熱はリケッチア感染症の一種である。 RMSFの発生は西半球に限られている。RMSFは当初ロッキー山脈諸州で確認されたが,実際には米国全土と中南米各地で発生している。ヒトへの感染は,... さらに読む ロッキー山紅斑熱(RMSF) ,その他のリケッチア症)などがある。

紫斑(purpura)は,比較的大きな皮下出血であり,触知可能なこともある。触知可能な紫斑は白血球破砕性血管炎の特徴的所見と考えられている。紫斑は凝固障害を示唆していることもある。大きな紫斑は斑状出血,または口語的には内出血と呼ばれることがある。

萎縮(atrophy)は,皮膚の菲薄化であり,乾燥して皺のよった外観を呈し,シガレットペーパーに類似する。萎縮は慢性的な日光曝露,加齢,ならびに一部の炎症性および腫瘍性皮膚疾患(皮膚T細胞リンパ腫 皮膚T細胞リンパ腫(CTCL) 菌状息肉症およびセザリー症候群は,まれな慢性T細胞リンパ腫で,主に皮膚にみられ,ときにリンパ節に浸潤することがある。 ( リンパ腫の概要も参照のこと。) 菌状息肉症とセザリー症候群は,皮膚T細胞リンパ腫の主要な2つの病型である。これらがリンパ腫の全症例に占める割合は5%未満である。 皮膚T細胞リンパ腫は潜行性に発症する。初診時に生検を行っても診断困難な慢性のそう痒性発疹として現れることがある。この前駆症状は,最終的に皮膚T細胞リンパ腫と... さらに読む 皮膚T細胞リンパ腫(CTCL) や全身性 エリテマトーデス ループスの亜型 全身性エリテマトーデスは,自己免疫を原因とする慢性,多臓器性,炎症性の疾患であり,主に若年女性に起こる。一般的な症状としては,関節痛および関節炎,レイノー症候群,頬部などの発疹,胸膜炎または心膜炎,腎障害,中枢神経系障害,血球減少などがある。診断には,臨床的および血清学的な基準が必要である。重症で進行中の活動性疾患の治療には,コルチコステロイドおよび免疫抑制薬を必要とする。 全症例のうち,70~90%が女性(通常妊娠可能年齢)に起こる。... さらに読む ループスの亜型 )によって生じる。萎縮はまた,強力な外用コルチコステロイドの長期使用でも生じることがある。

毛細血管拡張(telangiectasis)は,小血管が非可逆的に拡張した病巣であり,日光傷害部位, 酒さ 酒さ 酒さは,顔面紅潮,毛細血管拡張,紅斑,丘疹,および膿疱と重症例でみられる鼻瘤を特徴とする慢性炎症性疾患である。診断は特徴的な外観および病歴に基づく。治療は重症度に応じて異なり,メトロニダゾールの外用,抗菌薬の外用および内服,イベルメクチンの外用,まれにイソトレチノイン,重度の鼻瘤に対する手術などがある。 酒さは30~50歳の色白の患者に好発し,アイルランド系および北欧系の人々で最も顕著となるが,皮膚の色の濃い患者にもみられ,そのような患... さらに読む 酒さ ,全身性疾患(特に 全身性強皮症 全身性強皮症 全身性強皮症は,皮膚,関節,および内臓(特に食道,下部消化管,肺,心臓,腎臓)におけるびまん性の線維化および血管異常を特徴とする,原因不明のまれな慢性疾患である。一般的な症状としては,レイノー現象,多発性関節痛,嚥下困難,胸やけ,腫脹などがあり,最終的には皮膚の硬化と手指の拘縮が起こる。肺,心臓,および腎臓の病変がほとんどの死亡の原因である。診断は臨床的に行うが,臨床検査は診断の裏付けになり,予後予測に役立つ。特異的治療は困難であり,合... さらに読む 全身性強皮症 ),または遺伝性疾患(例, 毛細血管拡張性運動失調症 毛細血管拡張性運動失調症 毛細血管拡張性運動失調症はDNA修復障害に起因し,高い頻度で液性免疫不全および細胞性免疫不全を引き起こす;それにより進行性小脳性運動失調,眼皮膚の毛細血管拡張,反復性の副鼻腔肺感染症が生じる。IgAおよび血清α1フェトプロテイン値を測定する。診断を確定するには遺伝子検査が必要である。治療は予防的抗菌薬投与または免疫グロブリン投与による。 ( 免疫不全疾患の概要および 免疫不全疾患が疑われる患者へのアプローチも参照のこと。)... さらに読む 遺伝性出血性毛細血管拡張症 遺伝性出血性毛細血管拡張症 遺伝性出血性毛細血管拡張症は,遺伝性の血管奇形疾患で,常染色体優性形質で遺伝し,男女を問わず発生する。 ( 血管性の出血性疾患の概要も参照のこと。) 80%を超える患者が以下の遺伝子の1つに変異を有する( 1): 形質転換増殖因子β1(TGF-β1)および形質転換増殖因子β3の受容体をコードするエンドグリン(ENG)遺伝子... さらに読む 遺伝性出血性毛細血管拡張症 )で生じることがあり,またフッ素を含有する外用コルチコステロイドの長期使用後に生じることもある。

病変の形状(二次的形態)

形状(configuration)とは,単一病変の形態と集簇性病変の配列のことである。

環状病変は,中心治癒傾向を示す環状病変である。その例としては, 環状肉芽腫 環状肉芽腫 環状肉芽腫は,丘疹または結節が遠心性に拡大して,正常またはわずかに陥凹した皮膚の周囲に環状の病変を形成することを特徴とする,良性かつ慢性の特発性疾患である。診断は臨床的評価のほか,ときに生検による。治療はコルチコステロイドの外用または病変内注射,タクロリムスの外用,凍結療法,および光線療法による。 環状肉芽腫の病因は不明であるが,提唱されている機序としては,細胞性免疫(IV型),免疫複合体性血管炎,および組織単球の異常などがある。環状肉... さらに読む 環状肉芽腫 ,一部の薬疹,特定の 皮膚糸状菌感染症 皮膚糸状菌症の概要 皮膚糸状菌症は,ケラチンを含む皮膚および爪の真菌感染症である(爪の感染は爪白癬または 爪真菌症と呼ばれる)。症状と徴候は感染部位により異なる。診断は臨床的な外観と皮膚擦過物のKOH直接鏡検による。治療は部位により異なるが,常に抗真菌薬の外用または内服を用いる。 病原性を示す可能性がある真菌としては,酵母(例,Candida albicans)や皮膚糸状菌などがある。皮膚糸状菌は,栄養としてケラチンを必要とするカビであり,角... さらに読む (例,白癬[たむし]),および 第2期梅毒 第2期梅毒 梅毒は,スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって引き起こされる疾患で,臨床的に3つの病期に区別され,それらの間には無症状の潜伏期がみられることを特徴とする。一般的な臨床像としては,陰部潰瘍,皮膚病変,髄膜炎,大動脈疾患,神経症候群などがある。診断は血清学的検査のほか,梅毒の病期に基づいて選択される補助的検査による。第1選択の薬剤はペニシリンである。... さらに読む  第2期梅毒 などがある。

網状病変は,レース状ないし網目状のパターンを示す。その例としては,大理石様皮膚や網状皮斑などがある。

皮膚病変の質感

皮膚病変の中には,診断を示唆する目視可能または触知可能な特有の質感を呈するものがある。

苔癬化(lichenification)は,正常な皮膚紋理の増強を伴う皮膚の肥厚であり,この変化は繰り返し掻破したり,擦ったりすることで生じる。

黄色腫(xanthoma)は,黄色調の蝋様病変であり,特発性のこともあれば,脂質障害の患者で生じることもある。

皮膚病変の局在および分布

以下の点を確認することが重要である:

  • 病変は単発性か多発性か。

  • 病変が特定の部位にみられるか(例,手掌または足底,頭皮,粘膜)。

  • 分布はランダムか,パターンがあるか,対称性か,非対称性か。

  • 病変がみられる皮膚は露光部か被覆部か。

疾患特徴的なパターンはほとんどないが,一部のパターンは特定の疾患と一致する。

色調

皮膚の発赤(紅斑[erythema])は,様々な炎症性または感染性疾患で生じる。皮膚腫瘍はしばしばピンク色または紅色を呈する。ポートワイン血管腫のような表在性の血管病変は赤く見えることがある。

皮膚の橙色への変色は,高カロテン血症で最もよくみられるが,これは通常,β-カロテンを過剰摂取した後に生じる良性のカロテン沈着である。

皮膚の黄色への変色は, 黄疸 黄疸 黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。 ( 肝臓の構造および機能と 肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受け... さらに読む 黄疸 眼瞼黄色腫 眼瞼黄色腫 眼瞼の皮膚は良性および悪性腫瘍増殖の好発部位である。 眼瞼黄色腫は,わずかに隆起した黄白色の境界明瞭なプラークで,典型的に片側または両側の眼瞼の鼻側に現れる。 眼瞼黄色腫は,よくみられる脂質物質から成る黄白色で扁平なプラークの良性沈着であり,上下の眼瞼の皮下に発生する。一部の眼瞼黄色腫では脂質異常症がみられるが,ほとんどの症例ではみられない。診断は病変の外観による。眼瞼黄色腫の治療は必要ないが,審美上の理由から眼瞼黄色腫を摘出してもよく... さらに読む 眼瞼黄色腫 ,黄色腫,および 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫は,皮膚,網膜,および心血管系の弾性線維の石灰化を特徴とするまれな遺伝性疾患である。診断は臨床的に行う。特異的な治療法はないが,色素線条に対して,血管新生を阻害する抗体の硝子体内注射を行うことがある。 弾性線維性仮性黄色腫は, 常染色体優性と 常染色体劣性の両方の形式で遺伝するABCC6遺伝子の突然変異により起こる。 さらに読む 弾性線維性仮性黄色腫 の典型的な所見である。

皮膚の紫色への変色は,皮膚の出血または 血管炎 血管炎の概要 血管炎は血管の炎症であり,しばしば虚血,壊死,および臓器の炎症を伴う。血管炎は,あらゆる血管,すなわち動脈,細動脈,静脈,細静脈,または毛細血管を侵すことがある。具体的な血管炎疾患の臨床像は多彩であり,侵された血管の太さおよび部位,臓器病変の範囲,ならびに血管外の炎症の程度およびパターンによって異なる。... さらに読む 血管炎の概要 で生じることがある。 カポジ肉腫 カポジ肉腫 カポジ肉腫は,ヘルペスウイルス8型によって引き起こされる多中心性の血管性腫瘍である。病型として古典的カポジ肉腫,AIDS関連カポジ肉腫,風土病型(アフリカ型)カポジ肉腫,および医原性カポジ肉腫(例,臓器移植後)がある。診断は生検による。進行の緩徐な表在性病変に対する治療としては,凍結療法,電気凝固術,切除,または電子線照射療法が施行される。さらに広範な病変には放射線療法を用いる。AIDS関連では,抗レトロウイルス薬で最も大きな改善が得ら... さらに読む カポジ肉腫 や血管腫など,血管性の病変や腫瘍は紫色に見えることがある。ライラック色の眼瞼,すなわちヘリオトロープ疹は, 皮膚筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は,筋肉(多発性筋炎)または皮膚および筋肉(皮膚筋炎)の炎症性変化および変性変化を特徴とする。症状としては,対称性の筋力低下,ときに圧痛,筋肉の線維組織への置換などがあるほか,ときに萎縮を伴い,それは主として肢帯の近位筋にみられる。診断は臨床所見,および筋肉の検査(筋酵素[アルドラーゼおよびクレアチンホスホキナーゼ],MRI,筋電図検査,筋生検など)における異常による。いくつかの型の筋炎では,肺および心臓の症状がみられる。... さらに読む 自己免疫性筋炎 の特徴である。

青色調,銀色調,灰色調の変色は,ミノサイクリン,アミオダロン,銀(銀皮症)などの薬物や金属が皮膚に沈着して生じる。虚血に陥った皮膚の色調は紫色から灰色となる。真皮深層にある母斑は青く見える。

黒色の皮膚病変は,母斑や 黒色腫 黒色腫 悪性黒色腫は,色素のある部位(例,皮膚,粘膜,眼,中枢神経系)のメラノサイトから発生する。転移は真皮浸潤の深さと相関する。進展した場合の予後は不良である。診断は生検による。手術可能な腫瘍には広範な外科的切除を行うのが原則である。転移例には全身療法が必要であるが,治癒は困難である。 ( 皮膚悪性腫瘍の概要も参照のこと。) 2020年には,米国で約100,350例の黒色腫症例が新たに発生し,約6850人が死亡していると推定される... さらに読む 黒色腫 のようにメラノサイトが原因のことがある。黒色の焼痂は死滅した皮膚が集積したもので,梗塞によって生じることがある(梗塞は感染症[例, 炭疽 炭疽 炭疽の原因菌である炭疽菌(Bacillus anthracis)は,毒素産生能と莢膜を有するグラム陽性通性嫌気性細菌である。炭疽は動物でしばしば致死的な疾患となり,感染動物またはその加工品との接触によってヒトに伝播する。ヒトへの感染は,典型的には皮膚を介して起きる。肺感染は比較的まれであり,口腔咽頭,髄膜,および消化管への感... さらに読む 炭疽 Rhizopus属を始めとする血管に侵入する真菌, 髄膜炎菌血症 髄膜炎菌感染症 髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は,髄膜炎と髄膜炎菌血症を引き起こすグラム陰性球菌である。症状は通常重度で,頭痛,悪心,嘔吐,羞明,嗜眠,発疹,多臓器不全,ショック,播種性血管内凝固症候群などがみられる。診断は臨床的に行われ,培養により確定する。治療はペニシリンまたは第3世代セファロスポリン系薬剤による。 髄膜炎菌は,ナイセリア科に属するグラム陰性好気性球菌である。13の血清群があり,そのうちの6群... さらに読む 髄膜炎菌感染症 ], カルシフィラキシス カルシフィラキシス 長期腎代替療法(RRT)を受ける全ての患者では,合併症として代謝性疾患やその他の疾患を発症する。これらの疾患には,しかるべき注意と補助的治療が必要である。アプローチは患者によって異なるが,典型的には栄養面の調整と複数の代謝異常に対する管理が含まれる( 栄養も参照)。 ( 腎代替療法の概要も参照のこと。) 食事は慎重にコントロールすべきである。一般に,血液透析患者は食欲不振になりやすく,理想体重1kg当たり1日35kcal(小児では年齢お... さらに読む カルシフィラキシス ,動脈不全, 血管炎 皮膚血管炎 皮膚血管炎は,内臓ではなく皮膚および皮下組織の小型または中型の血管を侵す血管炎のことを指す。皮膚血管炎は,皮膚に限局する場合もあれば,原発性または二次性の全身性血管炎疾患の一要素である場合もある。紫斑,点状出血,または潰瘍が生じることがある。診断には生検が必要である。治療法は病因および疾患の範囲によって異なる。 ( 血管炎の概要も参照のこと。) 血管炎は皮膚の小型または中型の血管を侵すことがある。皮膚の小型の血管(例,細動脈,毛細血管,... さらに読む 皮膚血管炎 などによって引き起こされる)。

皮膚病変のその他の臨床徴候

皮膚描記症は,局所の圧迫(例,皮膚の摩擦や掻破)後に,圧迫の分布通りに出現する蕁麻疹様の膨疹である。健常者の最高5%がこの徴候を示すとされており,これは物理性蕁麻疹の一型である。

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