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皮膚疾患の診断検査

執筆者:

Julia Benedetti

, MD, Harvard Medical School

レビュー/改訂 2019年 2月
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診断検査は,病歴や身体診察のみで皮膚病変または皮膚疾患の原因が明らかでない場合に適応となる。具体的には以下のものがある:

生検

皮膚生検にはいくつかの種類がある:

  • パンチ生検

  • shave biopsy

  • 切除生検

パンチ生検では,筒状のパンチ(通常は直径4mm)を真皮深層または皮下組織まで挿入してから標本をくり抜き,その基部で切断する。

より表在性の病変には,メスやカミソリによって削り取るshavingが可能である。出血には塩化アルミニウム溶液または電気乾固で対処し,大きな切開は縫合して閉鎖する。

大きな生検や深部の生検には,メスによる皮膚の楔状切除が可能である。

色素性病変は,組織学的に深さを評価するために,しばしば切除され,切除が浅すぎると確定診断ができないことがある。小さな腫瘍の大半では,辺縁に正常皮膚を少し含めて完全に切除することにより,診断と治療を同時に行える場合が多い。

擦過

ウッド灯

病変の範囲(例,切除前の色素性病変の境界)を診断するのにウッド灯(ブラックライト)が役立つことがある。また,色素減少を色素脱失と鑑別する上でも役立つことがある(白斑 白斑 白斑とは,皮膚メラノサイトの欠損によって皮膚に様々な大きさの脱色素斑が生じる病態である。原因は不明であるが,遺伝因子と自己免疫因子が関与している可能性が高い。診断は通常,皮膚の診察所見から明らかとなる。一般的な治療法としては,コルチコステロイドの外用(しばしばカルシポトリオールとの併用),カルシニューリン阻害薬(タクロリムスおよびピメクロリムス),ナローバンドUVB(紫外線B波)療法またはソラレンとUVAの併用療法などがある。多くの疾患... さらに読む 白斑 の色素脱失はアイボリーホワイトの蛍光を発するが,色素減少病変はそのような蛍光を発しない)。 紅色陰癬 紅色陰癬 紅色陰癬は,糖尿病患者や温暖な気候の居住者で最もよくみられる,Corynebacterium minutissimumによる間擦部位の感染症である。診断は臨床的に行う。治療はクラリスロマイシンの内服または抗菌薬の外用による。 ( 皮膚細菌感染症の概要も参照のこと。) 紅色陰癬は白癬または間擦疹に類似する。足に好発し,表在性の鱗屑,亀裂,浸軟として出現し,典型的には第3および第4趾間部に限局する。鼠径部の紅色陰癬は,不整であ... さらに読む 紅色陰癬 は特徴的な強い赤橙色の蛍光を発する。Microsporum canisおよびM. audouiniiによる 頭部白癬 頭部白癬(しらくも) 頭部白癬は頭皮の皮膚糸状菌感染症である。診断は臨床的な外観に加えて,引き抜いた毛髪または毛髪および鱗屑のKOH直接鏡検による。治療には経口抗真菌薬を使用する。 頭部白癬は,主に小児に発生する 皮膚糸状菌症で,感染力が強く,流行を起こすことがある。米国ではTrichophyton tonsuransが最も頻度の高い原因菌であり,次いでMicrosporum canisM... さらに読む 頭部白癬(しらくも) は,淡く明るい緑色の蛍光を発する。(注:米国でみられる頭部白癬の大部分はTrichophyton属真菌によるもので,その場合は蛍光を発しない。)緑色の蛍光がPseudomonas属細菌による皮膚感染症(例,熱傷)の最初の手がかりとなることがある。

ツァンク試験

ツァンク試験は, 単純ヘルペス 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 単純ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス1型および2型)は一般的に,皮膚,口腔,口唇,眼,および性器を侵す反復性感染症を引き起こす。頻度の高い重症感染症としては,脳炎,髄膜炎,新生児ヘルペスなどがあり,易感染性患者では播種性感染症もある。皮膚粘膜感染症では,紅斑上に集簇する有痛性の小水疱が生じる。診断は臨床的に行う;培養,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査,直接蛍光抗体法,または血清学的検査により確定診断が可能である。治療は対症療法で... さらに読む 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 帯状疱疹 帯状疱疹 帯状疱疹は,水痘帯状疱疹ウイルスが後根神経節で潜伏状態から再活性化される際に生じる感染症である。症状は通常,侵された皮膚分節に沿った疼痛から始まり,その後小水疱が2~3日以内に生じ,通常はこれが診断の決め手となる。治療は抗ウイルス薬であり,皮膚病変発現後72時間以内に投与するのが理想である。 ( ヘルペスウイルス感染症の概要を参照のこと。) 水痘と帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(ヒトヘルペスウイルス3型)により引き起こされるが,水痘は同... さらに読む 帯状疱疹 などのウイルス性疾患の診断に用いることができ,破れていない活動性の小水疱がある場合に行われる。ツァンク試験で単純ヘルペスと帯状疱疹を鑑別することはできない。検査に望ましい病変は破れていない水疱である。水疱蓋を鋭利な刃で切除し,その水疱底を15番のメス刃で擦過して採取する。擦過検体をスライドに移し,ライトまたはギムザ染色により染色する。多核巨細胞はヘルペス感染の徴候である。

硝子圧法

硝子圧法は,病変内の紅斑が表在血管内の血液によるもの(炎症性または血管性病変)か,出血によるもの(点状出血または紫斑)かを判断するために用いられる。顕微鏡のスライドガラスを病変に押しつけて(硝子圧法),退色するかどうかを確認する。出血性病変は退色しないが,炎症性および血管性病変は退色する。硝子圧法はサルコイド皮膚病変の同定に役立つこともあり,その場合は病変がリンゴゼリー色に変化する。

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