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感染症の生物学に関する序論

執筆者:

Larry M. Bush

, MD, FACP, Charles E. Schmidt College of Medicine, Florida Atlantic University

レビュー/改訂 2020年 7月
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健康なヒトは,病原体(通常,疾患を引き起こす能力を有する微生物と定義される)の侵入から宿主を防御する役割を果たしている微生物叢と調和を維持しながら共生している。微生物叢の多くは細菌および真菌であり,常時存在して撹乱されても迅速に回復する正常な常在菌叢と,宿主内で数時間から数週間増殖するが持続的には定着しない一過性菌叢がある。常在菌叢の微生物は,ときに(特に防御機構が破綻したとき)疾患を引き起こすことがある。

微生物が定着する部位は向性(特定の組織に対する親和性)によって規定される。常在菌叢は向性をはじめとして,数多くの因子(例,食事,公衆衛生,衛生状態,大気汚染)から影響を受ける。例えば,乳酸桿菌は乳製品の摂取量が多い人の腸管内でよくみられ,インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の気管気管支に定着する。結果として,ヒトの体内には微生物のコミュニティが存在し,各個人で微生物の構成や機能が異なる微生物叢が形成されている。

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