赤血球産生

執筆者:Evan M. Braunstein, MD, PhD, Johns Hopkins University School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 9月
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    赤血球の産生(赤血球造血)は,ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)のコントロール下で骨髄内に進行している。腎臓の傍糸球体細胞は,酸素運搬量の減少(貧血および低酸素症で生じる)またはアンドロゲン濃度の上昇に反応してエリスロポエチンを産生する。赤血球の産生には,エリスロポエチン以外にも,主にビタミンB12葉酸,およびヘムといった基質の十分な供給が必要である。

    赤血球の寿命は約120日である。寿命を過ぎると,赤血球は細胞膜を失い,大半は脾臓および肝臓の食細胞により循環血液中から除去される。主にヘムオキシゲナーゼ系によりヘモグロビンが分解され,鉄の保存(およびその後の再利用),一連の酵素学的段階を経由したヘムのビリルビンへの分解,およびアミノ酸の再利用が行われる。一定の赤血球数を維持するには,その120分の1を毎日再生する必要がある;そのため,未成熟な赤血球(網状赤血球)が絶えず放出されており,末梢血の赤血球に占める割合は0.5~1.5%となっている。

    加齢とともにヘモグロビンおよびヘマトクリットはわずかに減少するが,正常値を下回ることはない。月経中の女性における赤血球数減少の最も一般的な原因は,月経による慢性失血に起因する鉄欠乏症である。

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