骨腫瘍には良性と悪性がある。悪性腫瘍には原発性と転移性がある。
小児では,大部分の骨腫瘍は原発性良性腫瘍であり,一部が 悪性の原発性腫瘍 原発性悪性骨腫瘍 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む である(例, 骨肉腫 骨肉腫(骨原性肉腫) 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む , ユーイング肉腫 骨のユーイング肉腫 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む )。ごく少数が転移性腫瘍である(例, 神経芽腫 神経芽腫 神経芽腫は,副腎から,またはより頻度は低いが後腹膜,胸部,頸部を含む副腎外の交感神経鎖から発生するがんである。診断は生検により確定される。治療には外科的切除,化学療法,放射線療法,造血幹細胞移植併用大量化学療法,シス-レチノイン酸投与,免疫療法などがある。 神経芽腫は, 乳児のがんとして最も多くみられるものである。神経芽腫のほぼ90%が5... さらに読む , ウィルムス腫瘍 ウィルムス腫瘍 ウィルムス腫瘍とは,腎芽,間質,上皮の各成分で構成される腎臓の胎児性がんである。遺伝子異常が発生機序に関与するとみられているが,家系内の遺伝は症例のわずか1~2%を占めるに過ぎない。診断は超音波検査,腹部CT,またはMRIにより行われる。治療には外科的切除,化学療法,放射線療法が含まれる。... さらに読む )。骨髄も小児 白血病 白血病の概要 白血病は,未成熟または異常な白血球の過剰産生が起きることで,最終的に正常な血球の産生が抑制され,血球減少に関連する症状が現れる悪性疾患である。 白血化は,自己複製能が少し制限された造血前駆細胞レベルで生じることもあるが,通常は多能性幹細胞の段階で発生する。異常な増殖,クローン性増殖,異常な分化,およびアポトーシス(プログラム細胞死)の低下... さらに読む および リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫は,網内系およびリンパ系から発生する不均一な一群の腫瘍である。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別される( ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の比較の表を参照)。 リンパ腫はかつて, 白血病とは全く異なる疾患と考えられていた。しかし現在では,細胞マーカーとそれらのマーカーを評価するツールについて理解が深まったことで,これら... さらに読む に侵されることがある。
成人では(特に40歳以上),転移性腫瘍が原発性悪性腫瘍に比べ約100倍多い。骨髄細胞の腫瘍(例, 多発性骨髄腫 多発性骨髄腫 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む )を除けば,米国における原発性悪性骨腫瘍は小児と成人で毎年約2500例しかない。
滑膜の腫瘍は,小児および成人のいずれにおいても極めてまれである。 色素性絨毛結節性滑膜炎 色素性絨毛結節性滑膜炎(腱滑膜巨細胞腫) 腫瘍は,隣接する骨または軟部組織の腫瘍が直接進展しない限り,めったに関節を侵さない。しかし,2つの病態(滑膜軟骨腫症および色素性絨毛結節性滑膜炎)が関節の内壁(滑膜)に発生する。これらの病態は良性であるが,局所浸潤性である。両方とも通常1つの関節(膝関節が最も多く次いで股関節が多い)を侵し,痛みおよび液貯留を引き起こすことがある。両方とも... さらに読む (PVNS,腱滑膜巨細胞腫としても知られる)は良性であるが,ときに滑膜細胞の破壊性の腫瘍であることがある。滑膜肉腫(しばしば紡錘細胞と腺様成分の両方を伴う)は,滑膜由来ではない悪性の軟部組織腫瘍であり,関節内に起こることはめったにない。
骨と関節の腫瘍の症状と徴候
骨腫瘍は典型的に,原因不明で進行性の痛みおよび腫脹を引き起こす。痛みは荷重負荷がなくても起こることがあり(安静時の痛み,特に夜間),また機械的ストレスによって起こることがある。
骨と関節の腫瘍の診断
単純X線
MRI(通常は造影),ときにCT
多中心性または転移性の腫瘍を疑う場合は全身骨シンチグラフィー
生検(画像検査で良性の特徴が明らかな場合や,原発性悪性腫瘍が確認されている患者に多数の骨病変がある場合を除く)
骨腫瘍の診断が遅れる理由として最も頻度が高いのは,医師が腫瘍を疑い損ねて適切な画像検査を指示し損なうことである。原因不明の骨痛(特に夜間または安静時の痛み)がある患者では,骨腫瘍を考慮すべきである。体幹または四肢における持続性または進行性の説明のつかない痛みは,骨腫瘍を示唆する(特に腫瘤を伴う場合)。一部の骨盤骨腫瘍は,骨盤または殿部近位の痛みを引き起こす場合,坐骨神経痛に類似する場合,またはまれに坐骨神経を圧迫することに起因する真の坐骨神経痛を引き起こす場合がある。
単純X線は,骨腫瘍を同定し評価するため最初に行われる検査である。他の理由で施行したX線検査で偶然発見されたものも含め,腫瘍を示唆する病変には通常,さらなる評価が必要である(しばしば追加の画像検査[例,CTまたはMRI]および生検を伴う)。ただし,良性病変に典型的なX線所見を示す腫瘍には,骨シンチグラフィー,CT,またはMRIは必要ない。一般に,他の異常部位を同定するために,選択された部位のみのシンチグラフィーではなく全身骨シンチグラフィーをルーチンに施行すべきである(特に多中心性または転移性の腫瘍を疑う場合)。全身の画像検査は,他の骨病変を確実に同定するために通常は好まれるが,これは特に,患者がすでに放射性核種を全量投与されており,全身を対象とすることでかかる追加の時間は限定的なものでしかないことが理由である。ガドリニウム造影MRIが必要な場合もあれば,造影剤は不要な場合もある。腎機能が低下している患者では腎毒性が生じる可能性があるため,MRIの造影剤を追加する前に腎機能が十分かどうかを確認すべきである。造影MRIを単純MRIの後に行うべきか否か,およびどのような追加のMRIシーケンスが必要かについての最終的な決定は,MRI放射線科医が下すべきである。
特徴的所見
一部の腫瘍(例, 非骨化性線維腫 非骨化性線維腫(線維性骨皮質欠損,線維黄色腫) 良性骨腫瘍には, 良性骨巨細胞腫, 軟骨芽細胞腫, 軟骨粘液線維腫, 内軟骨腫, 非骨化性線維腫, 骨芽細胞腫, 骨軟骨腫, 類骨骨腫などがある。 良性嚢胞には, 動脈瘤様骨嚢胞(腫), 孤立性骨嚢胞などがある。 線維性骨異形成では骨も侵されることがある。 ( 骨と関節の腫瘍の概要も参照のこと。)... さらに読む , 線維性骨異形成 線維性骨異形成 良性骨腫瘍には, 良性骨巨細胞腫, 軟骨芽細胞腫, 軟骨粘液線維腫, 内軟骨腫, 非骨化性線維腫, 骨芽細胞腫, 骨軟骨腫, 類骨骨腫などがある。 良性嚢胞には, 動脈瘤様骨嚢胞(腫), 孤立性骨嚢胞などがある。 線維性骨異形成では骨も侵されることがある。 ( 骨と関節の腫瘍の概要も参照のこと。)... さらに読む , 内軟骨腫 内軟骨腫 良性骨腫瘍には, 良性骨巨細胞腫, 軟骨芽細胞腫, 軟骨粘液線維腫, 内軟骨腫, 非骨化性線維腫, 骨芽細胞腫, 骨軟骨腫, 類骨骨腫などがある。 良性嚢胞には, 動脈瘤様骨嚢胞(腫), 孤立性骨嚢胞などがある。 線維性骨異形成では骨も侵されることがある。 ( 骨と関節の腫瘍の概要も参照のこと。)... さらに読む )および腫瘍様の疾患(例, 骨パジェット病 骨パジェット病 骨パジェット病は,限局した部位で骨代謝回転が亢進する成人の骨格の慢性疾患である。正常な基質が,軟化し腫大した骨に置き換わる。本疾患は無症候性のこともあれば,骨痛または変形が徐々に発症することもある。診断はX線による。治療には対症的な処置としばしば薬物(通常はビスホスホネート)が含まれる。... さらに読む )には特徴的なX線所見がみられることがあり,生検なしに診断しうる。
がんを示唆するX線所見としては以下のものがある:
溶骨性の破壊性病変
骨の損失を示す境界不明瞭な浸透像(permeative appearance)
不整な腫瘍境界
小胞状の骨破壊領域(虫食い像)
骨皮質の破壊
軟部組織への進展
病的骨折
融解像は,はっきりと境界が画された骨破壊領域を特徴とする。浸透像(permeative appearence)は,かすかでなだらかな骨の損失または明瞭な境界のない浸潤パターンを特徴とする。特定の腫瘍には特徴的な所見がある。例えば,典型的な ユーイング肉腫 骨のユーイング肉腫 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む では,まず浸透型(permeative-type)の骨破壊がみられ,大きな軟部組織腫瘤と侵襲性の高いタマネギの皮(onion-skin)様の骨膜反応を伴い,その後広範な融解性の破壊像を呈することが多く, 巨細胞腫 良性骨巨細胞腫 良性骨腫瘍には, 良性骨巨細胞腫, 軟骨芽細胞腫, 軟骨粘液線維腫, 内軟骨腫, 非骨化性線維腫, 骨芽細胞腫, 骨軟骨腫, 類骨骨腫などがある。 良性嚢胞には, 動脈瘤様骨嚢胞(腫), 孤立性骨嚢胞などがある。 線維性骨異形成では骨も侵されることがある。 ( 骨と関節の腫瘍の概要も参照のこと。)... さらに読む は,腫瘍と正常な骨の間に硬化した界面のない嚢胞像を呈する。腫瘍の部位により診断候補を絞れることがある。例えば,ユーイング肉腫は通常長管骨の骨幹に出現し, 骨肉腫 骨肉腫(骨原性肉腫) 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および... さらに読む は通常骨幹端-骨幹部分で長管骨の末端に向かって出現し,巨細胞腫は通常骨端に生じる。
骨髄が小児 白血病 白血病の概要 白血病は,未成熟または異常な白血球の過剰産生が起きることで,最終的に正常な血球の産生が抑制され,血球減少に関連する症状が現れる悪性疾患である。 白血化は,自己複製能が少し制限された造血前駆細胞レベルで生じることもあるが,通常は多能性幹細胞の段階で発生する。異常な増殖,クローン性増殖,異常な分化,およびアポトーシス(プログラム細胞死)の低下... さらに読む および リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫は,網内系およびリンパ系から発生する不均一な一群の腫瘍である。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別される( ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の比較の表を参照)。 リンパ腫はかつて, 白血病とは全く異なる疾患と考えられていた。しかし現在では,細胞マーカーとそれらのマーカーを評価するツールについて理解が深まったことで,これら... さらに読む に侵されると,ときにX線上で異常所見を示す。転移性の肺癌,乳癌,前立腺癌,および腎癌では,多発性の骨病変がみられることがある。
しかし,一部の良性疾患が悪性腫瘍に類似することがある:
骨折後の異所性骨化(骨化性筋炎)および過剰増殖性の仮骨形成は,骨皮質の周辺および隣接する軟部組織に石灰化を引き起こし悪性腫瘍に類似することがある。
ランゲルハンス細胞組織球症 ランゲルハンス細胞組織球症 ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は,臓器へ局所性またはびまん性で浸潤した樹状単核球の増殖性疾患である。ほとんどの症例は,小児にみられる。症状として,肺浸潤,骨病変,発疹のほか,肝臓,造血,内分泌の機能障害がみられる場合がある。診断は生検に基づく。予後不良の予測因子として,年齢2歳未満と播種があり,特に造血系,肝臓,脾臓,またはこれら複... さらに読む (histiocytosis X 肺ランゲルハンス細胞組織球症 肺ランゲルハンス細胞組織球症(PLCH)は,肺間質および気腔におけるランゲルハンス細胞の単クローン性の増殖である。病因は不明であるが,喫煙が主な役割を果たす。症状は,呼吸困難,咳嗽,疲労,および胸膜性胸痛である。診断は,病歴および画像検査,またはときに気管支肺胞洗浄および生検所見に基づく。治療は禁煙である。多くの症例でコルチコステロイドが... さらに読む , レテラー-ジーベ病 レテラー-ジーベ病(リスク臓器に病変がある多臓器障害) ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は,臓器へ局所性またはびまん性で浸潤した樹状単核球の増殖性疾患である。ほとんどの症例は,小児にみられる。症状として,肺浸潤,骨病変,発疹のほか,肝臓,造血,内分泌の機能障害がみられる場合がある。診断は生検に基づく。予後不良の予測因子として,年齢2歳未満と播種があり,特に造血系,肝臓,脾臓,またはこれら複... さらに読む , ハンド-シューラー-クリスチャン病 ハンド-シューラー-クリスチャン病(リスク臓器に病変がない多臓器障害) ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は,臓器へ局所性またはびまん性で浸潤した樹状単核球の増殖性疾患である。ほとんどの症例は,小児にみられる。症状として,肺浸潤,骨病変,発疹のほか,肝臓,造血,内分泌の機能障害がみられる場合がある。診断は生検に基づく。予後不良の予測因子として,年齢2歳未満と播種があり,特に造血系,肝臓,脾臓,またはこれら複... さらに読む , 好酸球性肉芽腫 好酸球性肉芽腫症(単一臓器障害) ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は,臓器へ局所性またはびまん性で浸潤した樹状単核球の増殖性疾患である。ほとんどの症例は,小児にみられる。症状として,肺浸潤,骨病変,発疹のほか,肝臓,造血,内分泌の機能障害がみられる場合がある。診断は生検に基づく。予後不良の予測因子として,年齢2歳未満と播種があり,特に造血系,肝臓,脾臓,またはこれら複... さらに読む )は,孤立性または多発性の骨病変(通常はX線上で識別可能)を引き起こすことがある。孤立性病変では,骨膜性骨新生があることがあり,悪性骨腫瘍が示唆される。
骨斑紋症(骨斑影症, multiple bone islands)は,臨床的影響のない無症状の病態であるが,乳癌または前立腺癌の造骨性骨転移に類似することがある。通常は足根骨,手根骨,もしくは骨盤骨,または管状骨の骨幹端から骨端部における,小さな円形または楕円形の複数の骨硬化病巣を特徴とする。
骨感染症では,痛みおよびX線上の破壊性病変がみられることがある。
その他の検査
質の高い病歴および身体診察,胸部/腹部/骨盤CT,女性ではマンモグラフィー,および男性では前立腺特異抗原(PSA)により,85%を超える頻度で原発がんの部位を同定できる。CTおよびMRIは,骨腫瘍の部位および程度を明らかにするのに役立つことがあり,ときに特異的な診断を示唆する。がんが疑われる場合,通常はMRIを行う。腫瘍が転移性であることまたは複数の病巣を含む(多中心性)ことを疑う場合は,さらなる腫瘍を検索するために放射性同位体テクネチウム99mによる全身骨シンチグラフィーを行うべきである。PET(陽電子放出断層撮影)を行うことがあり,しばしばCTと併用する(PET-CT)。転移している可能性のある腫瘍については,女性ではマンモグラフィー,男性ではPSAが原発がんの同定に役立つことがある。
生検は,画像検査で典型的な良性像が示されない限り,通常は悪性腫瘍の診断に不可欠である。病理医は病歴の適切な詳細を得るべきであり,画像検査を精査すべきである。病理組織学的診断は困難なことがあり,腫瘍の典型的な部位(通常は柔らかい部分)から採取した診断に有用な組織が十分に必要である。最良の結果は,骨生検の豊富な経験を有する施設で得られる。90%を超える症例では,即時の正確な確定診断が可能である。
孤立性の単一の病変において転移を疑う場合,診断を確定するために生検が必要なことがある。しかし,原発性悪性腫瘍が確認されている患者において多数の転移病変がある場合,生検は不要なことがある。
凍結切片の組織診で悪性の診断を疑う場合,外科医は最終的に治療を行う前に永久標本での組織診断の結果を待つことが多い。まれにしか悪性の原発性骨腫瘍患者に遭遇しない病院では,より頻繁に誤りが起こる。
骨と関節の腫瘍の要点
小児では,大部分の骨腫瘍が原発性良性腫瘍,一部が原発性悪性腫瘍であり,ごく少数が転移性腫瘍である。
成人では(特に40歳以上),転移性腫瘍(例,乳癌,肺癌,前立腺癌,または腎癌からの転移)が原発性悪性腫瘍に比べ約100倍多い。
評価は単純X線で始めるが,典型的にはMRIとしばしば他の検査が必要である。
がんを示唆する一般的なX線所見には,破壊像(特に複数の病巣を伴う),不整な境界,骨皮質の破壊,軟部組織への伸展,および病的骨折などがある。
悪性腫瘍の診断には生検が必要である。