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薬剤性肺障害

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine

レビュー/改訂 2019年 9月
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薬剤性肺障害は,単一の疾患というよりもむしろ臨床全般に及ぶ問題であり,肺疾患の既往がない患者が薬物療法に関連して,呼吸器症状,胸部X線の変化,肺機能の悪化,組織学的変化,またはこれらのうち複数の組合せを発現する病態である。150を超える薬物または薬物の種類が肺疾患を引き起こすことが報告されている;その機序はあまり分かっていないが,多くの薬物が 過敏反応 薬物過敏症 薬物過敏症は薬物に対する免疫介在性の反応である。症状は軽度から重度まで様々で,発疹,アナフィラキシー,および血清病などがある。診断は臨床的に行う;ときに皮膚テストが有用である。治療は,薬物投与の中止,支持療法(例,抗ヒスタミン薬による),およびときに脱感作である。 ( アレルギー疾患およびアトピー性疾患の概要も参照のこと。) 薬物過敏症は,当該薬物および 薬物相互作用による問題から想定されうる毒性や有害作用とは異なる。... さらに読む を引き起こすと考えられている。薬剤の中には,患者によって異なる傷害パターンを引き起こすものもある(例,ニトロフラントイン)。

薬物によって異なるが,薬剤性の症候群は,間質の線維化,器質化肺炎, 喘息 喘息 喘息は,様々な誘発刺激により引き起こされ,部分的または完全に可逆的な気管支収縮を生じさせる気道のびまん性炎症疾患である。症状および徴候には,呼吸困難,胸部圧迫感,咳嗽,および喘鳴などがある。診断は病歴,身体診察,および肺機能検査に基づく。治療には誘発因子の制御および薬物療法があり,吸入β2作動薬および吸入コルチコステロイドが最も多く用いら... さらに読む ,非心原性肺水腫, 胸水 胸水 胸水は胸膜腔(pleural space)内における体液の貯留である。胸水には複数の原因があり,通常,漏出液または滲出液に分類される。検出は身体診察および胸部X線による;原因を同定するために胸腔穿刺および胸水分析がしばしば必要とされる。無症状の漏出液は治療の必要はない。症状のある漏出液およびほぼ全ての滲出液には,胸腔穿刺,胸腔ドレナージ,胸膜切除術,またはこれらの組合せが必要となる。... さらに読む 胸水 肺好酸球増多症 好酸球性肺疾患の概要 好酸球性肺疾患とは,肺胞腔,間質,またはその両方における好酸球の集積を特徴とする多様な疾患の集合である。 末梢血中の好酸球増多もよくみられる。好酸球性肺疾患の原因としては以下のものがある: 感染症(特に 蠕虫感染) 薬剤性肺炎(例,抗菌薬,フェニトイン,L-トリプトファンなどの治療薬によって引き起こされる) 毒素吸入(例,コカインなどのレクリエーショナルドラッグ) 全身性疾患(例,... さらに読む 肺出血 びまん性肺胞出血 びまん性肺胞出血は持続性または再発性の肺出血である。数多くの原因があるが,自己免疫疾患が最も一般的である。患者の多くは呼吸困難,咳嗽,喀血,および胸部画像検査において新しい肺胞浸潤影を呈する。疑いのある原因に対して診断検査を行う。治療は,自己免疫性の原因をもつ患者に対しては免疫抑制薬によって行い,また必要があれば呼吸補助を行う。... さらに読む びまん性肺胞出血 ,または肺静脈閉塞症を引き起こしうる( Professional.see table 肺毒性をもつ物質 肺毒性をもつ物質 肺毒性をもつ物質 )。

被疑薬の中止に対する反応,および可能であれば投与再開に対する反応を観察し,それに基づいて診断する。

薬剤性肺障害の治療

  • 薬剤の投与中止

治療は肺疾患を引き起こしている薬剤の投与中止である。

薬剤性肺障害の予防

肺機能検査によるスクリーニングは,肺毒性のある薬物の投与を開始する患者またはすでに投与を受けている患者で一般的に行われるが,毒性の予測または早期検出に対するスクリーニングの有益性は証明されていない。

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