硬化性胆管炎

執筆者:Christina C. Lindenmeyer, MD, Cleveland Clinic
レビュー/改訂 2020年 3月
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    硬化性胆管炎は,斑状の炎症,線維化,肝内および肝外胆管の狭窄を特徴とする慢性の胆汁うっ滞性症候群を示す。進行するにつれ,胆管が破壊されていき,肝硬変,肝不全,そしてときに胆管癌の発生に至る。

    胆道機能の概要も参照のこと。)

    硬化性胆管炎は原発性(原因不明)の場合と免疫不全による続発性(幼児では先天性,成人では後天性[AIDS胆管障害など])の場合があり,しばしば混合感染(例,サイトメガロウイルスCryptosporidium),histiocytosis X,または薬物使用(例,フロクスウリジンの動脈内投与)と関連している。原発性および二次性硬化性胆管炎は,どちらも同様の炎症性および線維化病変を引き起こし,胆管の瘢痕化を招く。胆管狭窄のその他の原因としては,総胆管結石症,術後胆道狭窄,虚血性胆道傷害(肝移植時),先天性胆道異常,胆管癌,寄生虫感染症などがある。

    胆道の狭窄および拡張の診断には,超音波検査や胆道造影などの画像検査法が必要となる。

    治療は胆道閉塞を緩和することに焦点を置き(例,狭窄部の拡張とステント留置),可能であれば起因菌の排除や原因(例,HIV)に対する治療を行う。

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