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膝の外傷

執筆者: Paul L. Liebert, MD, Private Practice, Tomah Memorial Hospital, Tomah, WI

よくみられる膝の外傷には、膝関節ねんざ、半月板損傷、ランナー膝があります。

膝関節ねんざと半月板損傷

膝の外側面の靭帯(外側または内側側副靭帯)や内側面の靭帯(前または後十字靭帯)のねんざは、通常、体重がかかった状態で膝をひねった結果です。

  • 膝靭帯損傷は、多くの場合、着地時に膝を曲げたりひねったりすることで起こります。

  • 痛みと腫れがよくみられる状況です。

  • 損傷の重症度を判定するには、診察のほか、MRI検査や関節鏡検査が必要になることもあります。

  • 多くは固定して安静にしておくことで十分ですが、重度の外傷には手術が必要になることがあります。

膝靭帯損傷の多くは、体重がかかった状態で膝をひねることで生じ、たとえば、フットボールでタックルを受けたとき(クリッピング外傷)のように、足が地面に着いているときに膝の外側から力が加わる場合などです。この動作は、しばしば膝関節内の前十字靭帯を損傷します。膝が過度に伸ばされる(強い力で関節がまっすぐ伸展する)と、重症であれば、通常は関節内の後十字靭帯に損傷が生じます。損傷時の負荷とひねり方によって、膝内の弾力性があり緩衝材の役目を果たす板(関節半月)も傷つくことがあります。

膝の靭帯

症状

症状は外傷の重症度によります。重度の靭帯の外傷が生じた場合、負傷してから数時間後には腫れと痛みが起こり、より軽い外傷の場合は、24時間後以降にそれらの症状がみられます。膝で損傷が起きたときに「ポン」とはじける音が選手本人に聞こえたり感じることがあります。この音は通常、靭帯または半月板の断裂を示します。

重度の外傷の場合は、数時間以内に筋けいれん、腫れ、こわばりが起こることがあります。重度の靭帯外傷では、患者は膝が不安定であると感じ、壊れてしまうのをおそれて膝に体重をかけなくなります。断裂した半月板が膝の動きを妨げている場合は、膝が固定され曲がらなくなることがあります。

診断

医師は特定の方法で膝を動かし、靭帯が断裂しているかどうかを判断しようとします。しかし、筋肉がこわばって膝が硬くなると、正常な関節の動きを検査する妨げになります。場合によっては、MRI検査や関節鏡検査(柔軟な観察用チューブで関節内を調べる検査)、またはその両方を実施する必要があります。また、2、3日後に筋けいれんが治まってから、再度の診察を行う場合もあります。

治療

大量の液体が膝に貯留している場合は、医師はその液体を除去して痛みを和らげることができます。ほとんどの軽度または中等度の損傷は、初期に安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の処置(RICE)を行い、膝を固定します。靭帯や半月板の重度の外傷は、通常、手術による修復が必要です。

膝の前部に起こる痛み

  • 太ももの筋肉が弱い、過度の回内が起こる、脚の筋肉や腱が硬いなどの原因により、膝の前部に痛みが生じます。

  • 下り坂を走ると痛みを感じ、やがて歩行時にも痛むようになります。

  • 診断にはMRI検査と関節鏡検査が必要な場合があります。

  • 痛みがなくなるまでランニングを控えるべきで、その後、膝の周りの筋肉を強化しバランスを整える運動を行います。

  • 過度の回内が痛みの原因である場合、靴に中敷きを入れると役に立つ場合があります。

膝蓋骨は膝の周囲の靭帯や腱がつながっている円形の骨で、正常であればランニング中に大腿骨の上下に動いています。

膝の前部が痛むとき

正常な状態では、走っているときに膝蓋骨(膝の皿)は大腿骨の上下に動いています。太ももの筋肉が弱い、または足が過度に内転(回内)していると、膝蓋骨に痛みが生じます。その結果、膝蓋骨と大腿骨が異常にすれ合い、損耗が進みます。

膝の前部の痛み(膝前部痛)が起こる原因には、以下のようなものがあります。

  • 膝関節前方で膝蓋骨の位置が高過ぎるか低過ぎる。

  • 膝蓋骨周囲の筋肉の位置が中心からずれている。

  • ハムストリングという筋肉が硬く、短い。

  • アキレス腱が硬い。

  • 正常であれば膝を安定させる太ももの筋肉が弱い。

ランナー膝

ランナー膝は、膝前部の痛みを引き起こす治療可能な障害で、一般的な原因は、太ももの筋肉が弱いことです。太ももの筋肉が弱いと、膝蓋骨が側方に動いて大腿骨とこすれ合う異常が起こります。ランナー膝になると、たいてい最初は下り坂を走っているときに膝が痛み始めます。そのうち、走っているときや歩いているとき、特に階段を降りるときにも痛みが起こるようになります。

過度の回内

歩行時や走行時に足が過度の回内を起こしている(足が内側に傾いている)と、膝の痛みを引き起こす場合があります。回内によって太ももの筋肉(四頭筋)が膝蓋骨を外側に引っ張り、その結果、膝蓋骨が大腿骨の端部とこすれ合う異常が生じます。

診断

医師は症状を尋ね、診察を行います。MRI検査や関節鏡検査(柔軟な観察用チューブで関節内を調べる検査)または両方が必要になる場合もあります。

治療

痛みなく走れるようになるまで、ランニングを控えます。患部の冷却や非ステロイド性抗炎症薬の投与、または膝サポーターや弾性ストッキングを一時的に使用するなども有用です。回復期間中に膝を保護し、体力を維持するために、エクササイズ用バイクをこぐ(シート位置を高く、反復回数と抵抗は少なくして実施)、または水泳などの他の運動を行うことができます。また、太ももの裏側の筋肉(ハムストリング)と表側の筋肉(四頭筋)を強化し、バランスを整える運動が有用です。

ランナー膝の場合は、運動前にストレッチを行うことで、太ももの筋肉により生じる偏った力のバランスを調整し、けがを減らすのに役立ちます。

靴の中敷きは過度の回内を矯正するのに役立ちます。

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