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肩の外傷

執筆者: Paul L. Liebert, MD, Private Practice, Tomah Memorial Hospital, Tomah, WI

最もよくみられる肩の外傷は、回旋腱板損傷と肩関節唇断裂です。

回旋腱板損傷

肩関節内で上腕を保持している筋肉(回旋腱板の筋肉)は、挟み込み(肩インピンジメント症候群)、炎症(腱炎)、部分的または全体的な断裂を起こすことがあります。

  • 腕を頭上や後ろに動かしたときに肩が痛みます。腕を動かしていないのに痛むこともあります。

  • 運動が有用です。

回旋腱板の挟み込み(インピンジメント)と腱炎は、多くの場合、野球の投球、ウエートリフティング、ラケットによるボールのサーブ、水泳の自由形、バタフライ、背泳ぎといった、腕を頭よりも高く上げる動作を繰り返し行うスポーツが原因で起こります。腕を頭より高く上げる動作を繰り返すと、上腕骨の上端が肩甲骨上部との間で回旋腱板の筋肉を挟み、結果として炎症や腫れを起こします。炎症が起きているにもかかわらず動作を続けていると、腱が弱くなり断裂することがあります。

症状と診断

主な症状は肩の痛みです。痛みは当初、腕を頭よりも高く上げる活動中にのみ生じます(インピンジメント症候群)。悪化すると、腕を体側から60~120度離して持ち上げたときに痛みが生じます。有効な治療を行わないと、肩は安静時にも痛むようになり(腱炎)、しばしば夜間に痛みが生じて睡眠を妨げます。腱が断裂すると、肩から腕を外側に開きにくい、または開くことができない状態になります。

診断は症状や診察所見に基づいて行います。回旋腱板の筋肉の断裂を除外するために、MRI(磁気共鳴画像)検査が必要となる場合があります。

治療

中等度から重度の痛みがある場合は、2~3日間は肩をつり包帯で固定して休ませます。腕を肩より高く上げる動作、特に負荷がかかる動きは避けるべきです。肩を可動域全体で動かしても痛まなくなったら、回旋腱板の筋肉を強化します。それらの筋肉の一部を運動で強化すると、回旋腱板のバランスが回復し、腕を頭より高く上げても腱板の挟み込みが起こりにくくなります。痛みが激しい場合は、コルチコステロイド薬を回旋腱板上部の空間(滑液包)に注射することがあります。

回旋腱板が断裂している場合や腱炎が他の治療法で改善しない場合は、手術が必要になることもあります。手術では、肩の余分な骨を除去して回旋腱板の周辺の空間を広げ、頭より高く腕を上げたときに回旋腱板の挟み込みが起こらないようにします。回旋腱板が断裂している場合は、通常は手術による修復が推奨されます。

肩関節唇断裂

関節唇は肩の関節でクッションの役割を果たしていますが、外傷の結果、断裂することがあります。

肩は球状の部分が受け皿に収まった形の関節で、内外への回転はもちろん、前方、後方、横方向に腕を動かすことができます。肩は不安定になりやすい部位です。肩の関節は、ティーの上に置かれたゴルフボールに例えられます。つまり、球状部分(上腕骨骨頭)のサイズに比べ、受け皿(関節窩)が非常に浅くて小さいのです。安定性を高めるため、関節窩の縁には弾力性のある関節唇が付いていて、受け皿の深さを増しています。関節唇は、投げる動作を行うスポーツなどの運動競技中や、腕を伸ばした状態で転倒したときに断裂することがあります。

肩関節唇が断裂すると、野球の投球などの動作時に肩の深部に痛みを感じます。この不快感に伴い、痛みのあるクリック音またはゴツンという鈍い音や、肩に引っかかる感覚が生じることがあります。

診断を行うためにMRIが必要な場合があります。通常は、理学療法が最初の治療です。症状が改善しなければ、手術による修復が必要になります。

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