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高齢者の健康に対する間接的な影響

執筆者: Richard W. Besdine, MD, Professor of Medicine, Greer Professor of Geriatric Medicine, and Director, Division of Geriatrics and Palliative Medicine (Medicine) and of the Center for Gerontology and Healthcare Research, The Warren Alpert Medical School of Brown University

  • 一人暮らしの人は、同居人と暮らしている人に比べ、健康に問題があります。

  • 所得が低い場合、適切な医療を速やかに受けることが困難です。

  • 高齢期に起きる多くの変化により、健康上の問題が生じたり、悪化したりします。

健康に関係ないと思われる周囲の事情が、高齢者の健康に影響を及ぼすことがあります。

社会的関係

配偶者や友人、または趣味を通じて社会的接触を維持している高齢者では、健康上の問題があまりありません。たとえば、結婚していたり、同居人と暮らしていたりする高齢者は、一人暮らしの高齢者よりも健康な傾向にあります。だれかと一緒に暮らしている高齢者は、一人暮らしの高齢者よりも、入院したり介護施設に入所する割合も少なくなっています。

一人暮らしだと、周囲に気づく人がいないため、新たな問題や症状が報告されていない場合があります。薬を指示通りに服用するのを助けてくれる人もいません。人によっては、身体的障害がある、一人暮らしである、食料品店に車や徒歩で行けないなどの理由で、バランスの取れた食事を準備して食べることができなくなります。また、一人暮らしの高齢者は寂しさを感じたり抑うつ状態になることがよくあります。

時には親戚や他人と暮らすことが問題を引き起こすこともあります。親戚に負担や迷惑を掛けたくないという思いから、健康問題を隠したり、最小限のことしか話さない高齢者もいます。家族のだれかが生活環境を快く思わない場合、高齢者に対するネグレクトや虐待(心理的または身体的)が起こることがあります。

教育

教育レベルの高い人では、病気が早期に発見される傾向がみられ、そうでない場合にも、治療成績がよくなる傾向にあります。

金銭問題

メディケア、社会保障、メディケイドによる経済的支援がありますが、高齢者では一般社会全体に比べ、収入が少ない人の割合が多くなります。不完全ではありますがメディケア・パートD(処方薬プログラム)により、収入の低い多くの高齢者が薬剤費を工面しやすくなっています。しかし、このようなプログラムがあっても、十分な医療保険に加入しておらず、保険でカバーされない医療費や薬代の支払いが困難な高齢者もいます。薬代が支払えないと、治療可能な病気が未治療のままで放置される場合や、病気が末期になってからようやく治療される場合が少なくありません。

知っていますか?

  • 教育レベルの高い人のほうが、よりよい健康を得られる傾向があります。

加齢に伴う変化への対処

高齢者の中には、退職、愛する人の死、発病など加齢に伴う多くの変化に対処するのが困難な人もいます(加齢に伴う変化への対処を参照)。また、高齢者は孤独で、役に立たず、無力で、寂しいと感じていることがあります。自尊心を失くし、家族の負担になることを心配している場合もあります。病気で一時的あるいは永続的に自立性を失ったり、友人や愛する人の死に直面した場合は特に、うつに陥る場合があります。このような感情から、高齢者は医療従事者の診察を受けなくなり、重い病気の診断が遅れる場合があります。

加齢に伴う変化とそれに対する高齢者の対応が、病気治療を複雑なものにします。したがって、多くの場合、医療従事者のチームが協力して提供する学際的ケアは高齢者にとって有益です(学際的ケアを参照)。このチームは、医師、看護師、ソーシャルワーカー、療法士、薬剤師、臨床心理士などで構成されます。通常はかかりつけ医がリーダーとなって、ニーズや計画について評価し、社会的サービスを含むケアを調整して実施します。チームのメンバーは積極的に問題を探し、それを是正または防ぐ対策をとります。

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