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網膜の癌

執筆者: Sunir J. Garg, MD, FACS, Associate Professor of Ophthalmology;Physician, Thomas Jefferson University;The Retina Service of Wills Eye Hospital

網膜の癌は通常、網膜に血液を供給する血管が密集した層である脈絡膜から発生します。脈絡膜は網膜と強膜(眼球外側の白い部分)の間にあります。網膜は構造的に脈絡膜に支えられており、血液供給の半分を脈絡膜から受けているため、癌によって脈絡膜に損傷が生じると、おそらく視力にも影響します。

脈絡膜黒色腫

脈絡膜黒色腫は、脈絡膜の色素を産生する細胞(メラニン細胞)から発生する癌です。眼に発生する癌の中で最も多いのが脈絡膜黒色腫です。白人の中でも色白で、青い眼の人に最も多くみられます。通常、初期段階では視力に影響はありません。その後、ものがかすんで見えたり、網膜剥離が起こることがあります。網膜剥離では閃光が見えたり、カーテンやベールが視界を横切るように見えたり、飛蚊症が突然増えたり変化する症状を伴います。黒色腫は、特に大きい場合は、眼窩(がんか)にまで広がったり、あるいは血流に乗って体のほかの部分に転移し、死につながるおそれがあります。

小さいほど簡単に治癒するため、早期診断が重要です。診断には検眼鏡による観察、超音波検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、連続写真などの検査が用いられます。

黒色腫が小さい場合は、レーザーや放射線の照射、放射性物質を腫瘍の中に埋めこむなどの治療によって、視力を維持し眼球を摘出せずにすむ場合があります。黒色腫が大きい場合は、眼球摘出が必要な場合があります。

転移性脈絡膜腫瘍

転移性脈絡膜腫瘍は、体のほかの部分から脈絡膜に転移した癌です。脈絡膜は血液供給が豊富なため、体のほかの部分の癌が転移しやすい部位です。女性では乳癌からの転移が最も多く、男性では肺癌と前立腺癌が最も一般的な原因です。

これらの癌ではしばしば進行するまで症状が現れません。現れる症状には、視力障害や網膜剥離の症状があります。視力障害は重症のことがあります。

この病気は、検眼鏡による眼の定期的な診察の際に、診断されることがあります。超音波検査で診断を補助します。診断を確定するため、細い針で眼球から組織のサンプルを採取して顕微鏡で観察することもあります(生検)。通常、治療としては、化学療法と放射線療法が行われます。