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歯の破折、動揺、脱臼

執筆者: David F. Murchison, DDS, MMS, Clinical Professor;Senior Lecturer, Texas A & M Health Science Center, Baylor College of Dentistry;University of Texas at Dallas

外傷が起こりやすいのは、上顎の前歯です。冷たいものをかんだり食べたりすると、歯に瞬間的に鋭い痛みが走ることがあります。このような痛みは歯の不完全な破折(ひび割れ)によって起こりますが、歯が折れていなければ歯科医は充填して修復できます。これより大きな破折の場合はクラウンを被せる必要があります。これには根管治療が必要なときと、そうでない場合があります。

損傷した歯に空気をあてて痛みがなければ、歯の一番外側の硬いエナメル質だけが傷ついている可能性が高く、たとえエナメル質が少し欠けていても治療を急ぐ必要はありません。しかし、歯の中間層である象牙質までひび割れが到達すると、空気や食べものが触れると痛むため、早急に治療する必要があります。ひび割れが歯の最も奥にある歯髄にまで及ぶと、ひびのある箇所に赤色の斑点が現れて、いくらか出血することもあります。このような場合は残った歯髄が激痛を引き起こす前に、根管治療を行って歯髄を取り除かなければなりません。

外傷を受けた歯がぐらついたり歯の周囲の歯肉組織から多量に出血したりしている場合は、できるだけ早く治療しなければなりません。乳歯の前歯が損傷を受けてひどくぐらついているときには、その歯を抜いて、すでに生えている永久歯に悪影響が及ぶのを防ぎ、これから生えてくる永久歯のスペースを確保します。

知っていますか?

  • 歯が脱臼しまった場合、歯科医院に行くまでの間、牛乳に歯を浸けておきます。

乳歯が脱臼したときには、永久歯の歯胚にダメージを与えるといけないので、取れてしまった歯を元の穴へ戻す再植は行われません。一方、永久歯の脱落の場合は緊急に治療が必要です。取れてしまった歯はきれいに洗って歯が生えていた穴に戻しておくか、それができなければ歯をぬらしたペーパータオルでくるんでおくか、コップに入れた牛乳の中に浸けておきます。牛乳は、歯を保存しておく培地として好適です。どちらの場合でも、取れた歯を持ってただちに一番近い歯科医院を受診してください。

歯が取れてから30分以内に埋め戻すことができれば、元通りの健康な歯に戻る(生着する)確率が高くなります。30分を過ぎると、歯が取れてからの時間が長びくほど、長期的な生着率は悪くなります。再植した歯は、通常7~10日間、スプリントで周囲の歯と固定されます。また歯を取り囲んでいる骨(歯槽骨)にまでひび割れが及んだ場合は、6~10週間、副木固定が必要です。再植した歯には、いずれ根管治療が必要になります。

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