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リハビリテーションの基礎知識

執筆者: Masayoshi Itoh, MD, MPH, Clinical Professor of Rehabilitation Medicine;Consultant, New York University School of Medicine;Coler/Goldwater Specialty Hospital and Nursing Facility ; Mathew H. M. Lee, MD, Howard A. Rusk Professor of Rehabilitation Medicine and Chairman, Department of Rehabilitation Medicine, New York University School of Medicine

リハビリテーションは、外傷、脳卒中、感染症、腫瘍、手術、進行性の病気(関節炎など)などによって正常に機能する能力を失った人に必要となります。慢性的な閉塞性の肺疾患にかかっている人には、多くの場合、呼吸リハビリテーションプログラム( 胸部の理学療法を参照)が適しています。重症の外傷や手術後などの理由で寝たきりの生活が長く続き、体力が落ちている人にもリハビリテーションが必要です。理学療法、作業療法、痛みや炎症の治療、失われた機能を補うための再訓練がリハビリテーションの中心となります。治療は通常、マンツーマンのトレーニングを何週間も継続して行います。

リハビリテーションが必要な人はどの年代にもいますが、リハビリテーションの種類、レベル、目標はさまざまです。高齢者に起こりがちな慢性的な機能障害のリハビリテーションは、期間は長いものの強度は要求されず、若い人の骨折ややけどによる一時的な機能障害に対するものとは、目標も内容も異なります。たとえば、過去に脳卒中を起こしたことのある高齢者の心不全患者は、食事、着衣、入浴、ベッドといすの間の移動、トイレの使用、排尿と排便のコントロールなどを、可能な限り自力で行う能力を回復することが目標となります。骨折した若い人の目標は、多くの場合、できるだけ早く機能を回復することです。しかしながら、リハビリテーションの目標や強度を決定する要因は年齢だけでなく、他の病気の存在や制限事項も影響します。

知っていますか?

  • 重い病気やけが、外科手術の後に、完全回復を目指すのであれば、推奨されるリハビリテーションプログラムを行う必要があります。

  • リハビリテーションは病院や自宅、リハビリテーションセンターなどで行うことができます。

正式にリハビリテーションプログラムを始めるとき、医師はリハビリテーション医(リハビリテーション医学の認定医資格を有する医師)、作業療法士、理学療法士、リハビリテーションセンターなどに、紹介状(処方せんに似ている)を書きます。紹介状により、治療目標、病気やけがの種類と発生時期が証明されます。また、歩行訓練(歩行の介助)や日常生活の訓練など、必要な治療の種類も紹介状に明記されます。

設定

リハビリテーションを行う場所は、患者のニーズで決まります。けがから回復中の人の多くは、療法士のもとで外来患者として治療を受けることができます。重度の障害を持つ人は、病院や入院型リハビリテーションセンターでのケアが必要となる場合があります。このような施設では、リハビリテーションチームが治療を行います。医師や療法士のほかに、看護師、精神科医、ソーシャルワーカー、言語聴覚士(発語、言語能力、発声を評価)、オージオロジスト(聴覚を評価)、その他の医療従事者、患者の家族が一緒になってチームを作ります。機能の大きな喪失がうつや無気力、経済的問題などのその他の問題につながることがあるため、チームによるアプローチが最善です。

家庭でのケアは、出かけるのは困難でも、ベッドからいす、あるいはいすからトイレに行き来ができるなど、介助が少なくてすむ人に適しています。しかしこのような場合、家族や友人にリハビリテーションを手助けしてもらわなければなりません。家族の助けを借りて家庭でリハビリテーションを行うのが最も望ましいのですが、家族には肉体的にも精神的にも負担がかかります。訪問リハビリを頼める場合は、理学療法士や作業療法士が在宅ケアを手助けしてくれます。

介護施設の多くは低目に設定したリハビリテーションプログラムを用意しており、体の弱い人や高齢者など、リハビリにあまり耐えられない人に適しています。

目標

リハビリテーションチームや療法士は、各問題について短期的目標と長期的目標の両方を設定します。たとえば手をけがして動作の範囲が限られたり弱くなっている人の場合、短期的な目標は一定の範囲で可動域を増やすことや、数キロのものを持てるほどに握力を高めることに設定します。長期的な目標は、たとえば再びピアノを弾けるようになることです。短期的な目標は、短い間に達成可能なことを設定します。長期的な目標は、リハビリテーションによって得られることや数カ月後に期待できるレベルを理解するのに役立つよう設定します。チームはこの短期目標を達成するよう患者を励まし、経過を注意深く観察します。患者が、気が進まなくなったり経済的な理由などで続けられなくなったとき、あるいは進行が予想より遅かったり早かった場合には、目標が変更されることもあります。

機能障害の重さやリハビリテーションチームの技術にかかわりなく、リハビリテーションで得られる最終的な成果は患者のやる気にかかっています。家族や友人の注意をひきたいために回復を遅らせる患者もいます。

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