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視神経炎

執筆者: James Garrity, MD, Mayo Clinic

視神経炎は視神経の炎症である。症状は通常片眼性で,眼痛および部分的または完全な視力障害を伴う。診断は主として臨床的に行う。治療は基礎疾患に対して行う;ほとんどの例は自然寛解する。

病因

視神経炎は20~40歳の成人に最も多い。ほとんどの症例は脱髄疾患,特に多発性硬化症( 多発性硬化症 (MS))によるものであるが,多発性硬化症の場合は再発しうる。視神経炎は多発性硬化症の最初の臨床像となることが多い。その他の原因には以下のものがある:

  • 感染性疾患(例,ウイルス性脳炎[特に小児],副鼻腔炎,髄膜炎,結核,梅毒,HIV)

  • 視神経への腫瘍転移

  • 化学物質および薬物(例,鉛,メタノール,キニン,ヒ素,抗菌薬)

まれな原因には糖尿病,悪性貧血,全身性自己免疫疾患,グレーブス眼症,蜂さされ,および外傷などがある。徹底的な評価を行っても原因が明らかにならないことが多い。

症状と徴候

主な症状は視力障害で,しばしば1日または2日以内に最大となり,程度は小さい中心暗点または傍中心暗点から完全な失明まで様々である。患者の多くは軽度の眼痛を有し,眼球運動時により痛く感じられることが多い。

視神経乳頭が腫脹している場合は視神経乳頭炎と呼ぶ。視神経乳頭が正常に見える場合は球後視神経炎と呼ぶ。最も特徴的な所見には,視力低下,視野欠損,および色覚異常(視力障害の程度に比例しないことが多い)などがある。他眼が障害されていない,または障害されていても程度がより低い場合は,通常は瞳孔求心路障害が同定できる。色覚検査は有用な補助検査である。約3分の2の患者では,炎症は完全に球後性であり,眼底には確認できる変化を来さない。残りの患者では,視神経乳頭充血,乳頭内または周囲の浮腫,血管の怒張,またはこれらの組合せを認める。わずかな滲出液および出血を乳頭近傍または乳頭上に認めることがある。

診断

  • 臨床的評価

  • MRI

特徴的な疼痛および視力障害を認め,特に若年患者であれば視神経炎を疑う。通常,神経画像検査(ガドリニウム造影MRIを用いることが望ましい)を行い,腫脹して信号強度が高くなった視神経を認めることがある。MRIは多発性硬化症の診断にも有用となりうる。視神経炎が脱髄と関連している場合は,MRIのFLAIR(fluid attenuation inversion recovery)で,脳室周囲に典型的な脱髄病変を認めることがある。

パール&ピットフォール

  • 眼球運動に伴う眼痛および視力障害(例,視力低下または色覚低下,視野欠損)または求心性瞳孔障害がある若年患者に対し,ガドリニウム造影MRIを行う。

予後

予後は基礎疾患に依存する。ほとんどのエピソードは自然寛解し,2~3カ月以内に視力が回復する。視神経炎の典型的な病歴があり結合組織疾患などの全身性基礎疾患がない患者のほとんどでは視力が回復するが,同眼または他眼での再発率は25%を超える。将来脱髄疾患が生じるリスクを判定するためMRIを行う。

治療

  • コルチコステロイド

コルチコステロイドは選択肢の1つであり,とりわけ多発性硬化症が疑われる場合によく用いられる。メチルプレドニゾロン(500~1000mg,静注,1日1回)を3日間投与した後,プレドニゾン(1mg/kg,経口,1日1回)を11日間投与する治療により回復を早められることがあるが,結果的に最終視力は経過観察のみの場合と変わらない。コルチコステロイドの静注により多発性硬化症の発現が少なくとも2年遅れると報告されている。プレドニゾン経口投与単独の治療では視力の転帰は改善せず,再発エピソードの割合が高まる可能性がある。ロービジョン補助具(例,虫眼鏡,拡大読書器,音声付き腕時計)が役立つ可能性がある。多発性硬化症が疑われる場合は,多発性硬化症の治療を含めその他の治療を行うことがある。

要点

  • 視神経炎は20~40歳の成人に最もよくみられる。

  • 最も頻度が高い原因は多発性硬化症であるが,他に感染症,腫瘍,薬物,および毒素が原因となる可能性がある。

  • 所見には,眼球運動に伴う軽度の痛み,視覚障害(特に視力の程度に不釣り合いな色覚異常),および求心性瞳孔障害などがある。

  • ガドリニウム造影MRIを行う。

  • コルチコステロイドおよびその他の治療を行うこともあり,特に多発性硬化症が疑われる場合に考慮される。

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