掌蹠角化症

執筆者:James G. H. Dinulos, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth
レビュー/改訂 2020年 1月
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掌蹠角化症は,手掌および足底の過角化を特徴とする,まれな遺伝性疾患である。

大半の掌蹠角化症は重症ではなく,常染色体優性である。二次感染がよくみられる。例として以下のものが挙げられる:

  • Howel-Evans症候群:この常染色体優性の病型では,皮膚以外の症状がみられ,5歳から15歳までに発症する。若年で食道癌を発症することがある。

  • Unna-Thost病およびVorner病:これらは常染色体優性の病型である。

  • Papillon-Lefèvre症候群:この常染色体劣性の病型では生後6カ月未満で症状が現れる。重度の歯周炎から歯牙喪失を来すことがある。

  • Vohwinkel症候群:この常染色体優性の病型では,手指の指端断節がみられることもあり,また高い頻度で難聴を来す。

  • Diffuse nonepidermolytic palmoplantar keratoderma(びまん性非表皮融解性掌蹠角化症):この常染色体優性の病型は乳児期に発症し,手掌および足底の全体を侵す境界明瞭で対称性の角化性皮膚疾患を引き起こす。

掌蹠角化症の治療

  • 対症療法

対症的な対策として,皮膚軟化剤角質溶解剤,物理的方法による鱗屑の除去などが選択できる。二次感染には抗菌薬による治療が必要である。ときに経口レチノイドが使用される。

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