せん妄および認知症の概要

執筆者:Juebin Huang, MD, PhD, Department of Neurology, University of Mississippi Medical Center
Reviewed ByMichael C. Levin, MD, College of Medicine, University of Saskatchewan
レビュー/改訂 修正済み 2025年 2月
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認知障害の原因として最も頻度の高い病態は,せん妄(ときに急性錯乱状態とも呼ばれる)と認知症であるが,気分症(例,うつ病)によって認知機能が障害されることもある。せん妄と認知症は明確に異なる病態であるが,鑑別が困難なことがある。高齢患者では,せん妄を認知症と誤認することがよくある診療エラーとなっている。

これらの鑑別には以下に示す特異的な特徴が役立つ(せん妄と認知症の相違点の表を参照):

  • せん妄は主に注意と意識に影響を及ぼし,典型的には急性疾患または薬物中毒(薬剤またはレクリエーショナルドラッグ)によって引き起こされ,可逆的であることが多い。

  • 認知症は主に記憶と他の認知機能に影響を及ぼし,典型的には脳の解剖学的変化が原因で発生し,発症は比較的緩徐で,一般に不可逆的である。

大半の症例では,臨床検査だけで認知障害の原因を確定することはできないため,徹底的な病歴聴取および身体診察とベースラインの機能に関する情報把握が不可欠である。

表&コラム
表&コラム

せん妄と認知症はそれぞれ別の疾患と考えられているものの,その間には複雑な関係がある(1)。認知症の患者はしばしばせん妄を起こし,この状態は認知症に合併したせん妄(delirium superimposed on dementia:DSD)と呼ばれる。DSDは入院中の認知症患者の最大49%に発生する可能性がある(2)。また,せん妄のある患者も認知症の発生リスクが高い。

総論の参考文献

  1. 1.Fong TG, Inouye SK:The inter-relationship between delirium and dementia: The importance of delirium prevention.Nat Rev Neurol 18 (10):579–596, 2022.doi: 10.1038/s41582-022-00698-7

  2. 2.Han QYC, Rodrigues NG, Klainin-Yobas P, Haugan G, Wu XV: Prevalence, Risk Factors, and Impact of Delirium on Hospitalized Older Adults With Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Am Med Dir Assoc 23(1):23–32.e27, 2022.doi:10.1016/j.jamda.2021.09.008

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