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高血圧に対する薬剤

執筆者: George L. Bakris, MD, University of Chicago School of Medicine

いくつかの薬物クラスが高血圧の初期治療およびその後の管理に効果的である。安定した高血圧の薬物治療については, 高血圧の概要 : 薬剤も参照のこと。高血圧緊急症の薬物治療については, 高血圧緊急症に対する注射薬を参照のこと。

利尿薬

主なクラス( 高血圧に対する経口利尿薬)を以下に示す:

  • サイアザイド系利尿薬

  • ループ利尿薬

  • カリウム保持性利尿薬

利尿薬は,おそらくは細胞内から細胞外へのナトリウムの移動を介して,血漿量を穏やかに減少させ,血管抵抗を減少させる。

サイアザイド系利尿薬は最もよく使用される。他の降圧作用に加えて,血管内容量が正常である限り,わずかな血管拡張を引き起こす。全てのサイアザイド系薬剤は同等量で同等の有効性を示すが,サイアザイド系利尿薬は半減期が長いため,同程度の用量では相対的に効果が高くなる。サイアザイド系利尿薬は血清コレステロール値のわずかながらの上昇(大半が低比重リポタンパク)とトリグリセリド値の上昇を引き起こすことがあるが,これらの作用は1年以上は持続しないと考えられる。さらに,これらの測定値が上昇する患者は少数のみのようである。この上昇は治療開始後4週以内で明らかとなり,低脂肪食により軽減できる。脂質値がわずかに上昇する可能性をもって,高脂血症患者で利尿薬が禁忌となることはない。

ループ利尿薬は,腎機能が50%以上低下した患者に限り,高血圧の治療に使用され,1日2回投与される。

カリウム保持性利尿薬は,低カリウム血症,高尿酸血症,高血糖を引き起こすことはないが,高血圧のコントロールにおいてサイアザイド系利尿薬より効果が劣るため,初期治療には用いられない。ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用する場合,これらの薬剤は血清カリウム値を上昇させるため,カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤の投与は必要とならない。

遠位尿細管で作用するカリウム保持性利尿薬を除く全ての利尿薬は,有意なカリウム喪失を引き起こすため,血清カリウム値を安定するまで1カ月毎に測定する。血清カリウム濃度が正常化しない限り,動脈壁のカリウムチャネルが閉じ,結果として生じる血管収縮により目標血圧の達成は困難となる。カリウム値が3.5mEq/L未満の患者には,カリウム製剤を投与する。カリウム製剤は低用量で長期間継続するか,カリウム保持性利尿薬(例,連日でスピロノラクトン25~100mg,トリアムテレン50~150mg,amiloride 5~10mg)を追加してもよい。カリウム製剤またはカリウム保持性利尿薬の追加は,ジギタリスを併用している患者,心疾患がある患者,心電図異常がみられる患者,期外収縮または不整脈のある患者,および利尿薬の服用中に期外収縮または不整脈が発生する患者にも推奨される。

ほとんどの糖尿病患者において,サイアザイド系利尿薬は糖尿病のコントロールに影響しない。まれに,利尿薬はメタボリックシンドロームの患者において2型糖尿病を誘発ないし増悪させる。

利尿薬による高尿酸血症を原因とする少数の痛風症例は,おそらく遺伝的素因により説明できる。痛風を伴わない利尿薬による高尿酸血症には,治療や利尿薬の中止は必要ない。

心不全の既往があるが肺うっ血はない患者,特にACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬も併用している患者と1日の水分摂取量が1400mL未満の患者では,利尿薬により死亡率がわずかに上昇する可能性がある。この死亡率の上昇には,おそらく利尿薬による低ナトリウム血症および低血圧が関連している。

高血圧に対する経口利尿薬

薬剤

通常の用量*

主な有害作用

サイアザイド系薬剤およびサイアザイド系利尿薬(クロルタリドンおよびインダパミド)

ベンドロフルメチアジド

2.5~5mg,1日1回(最大量:20mg)

低カリウム血症(ジギタリスの毒性を増強する),高尿酸血症,耐糖能障害,高コレステロール血症,高トリグリセリド血症,高カルシウム血症,男性の性機能障害,筋力低下,発疹;血中リチウム値上昇の可能性あり

クロロチアジド

62.5~500mg,1日2回(最大量:1000mg)

クロルタリドン

12.5~50mg,1日1回

ヒドロクロロチアジド

12.5~50mg,1日1回

ヒドロフルメチアジド

12.5~50mg,1日1回

インダパミド

1.25~5mg,1日1回

メチクロチアジド

2.5~5mg,1日1回

メトラゾン(即放性)

0.5~1mg,1日1回

メトラゾン(徐放性)

2.5~5mg,1日1回

カリウム保持性利尿薬

amiloride

5~20mg,1日1回

高カリウム血症(特に腎不全患者とACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬,またはNSAIDによる治療を受けている患者),悪心,消化管障害,女性化乳房,月経不順(スピロノラクトン);血中リチウム値上昇の可能性あり

エプレレノン

25~100mg,1日1回

スピロノラクトン

25~100mg,1日1回

トリアムテレン

25~100mg,1日1回

ループ利尿薬

ブメタニド

0.5~2mg,1日2回

高カリウム血症,低ナトリウム血症,低マグネシウム血症,脱水,体位性低血圧,耳鳴,難聴

エタクリン酸

25~100mg,1日1回

フロセミド

20~320mg,1日2回

トラセミド

5~100mg,1日1回

*腎不全患者にはより高用量が必要になる場合がある。

アルドステロン拮抗薬。

β遮断薬

これらの薬剤( 高血圧患者に対する経口β遮断薬)は心拍数および心筋収縮性の低下をもたらすことで,血圧を降下させる。全てのβ遮断薬は同程度の降圧効果を示す。糖尿病,慢性末梢動脈疾患,またはCOPDの患者では,心選択性β遮断薬(アセブトロール,アテノロール,ベタキソロール,ビソプロロール,メトプロロール)が好ましいと考えられるが,心選択性は相対的なものにすぎず,用量の増加に従い低下する。心選択性β遮断薬であっても,喘息患者と気管支攣縮が著明なCOPD患者では禁忌である。

高血圧患者に対する経口β遮断薬

薬剤

通常の用量

主な有害作用

備考

アセブトロール*,†

200~800mg,1日1回

気管支攣縮,疲労,不眠症,性機能障害,心不全の増悪,低血糖症状の不顕性化,トリグリセリド血症,総コレステロール値の上昇と高比重リポタンパクコレステロール値の低下(ただしピンドロール,アセブトロール,ペンブトロール,カルテオロール,およびラベタロールは除く)

喘息,2度以上の房室ブロック,または洞不全症候群の患者では禁忌である

心不全患者またはインスリン療法を受けている糖尿病患者には慎重に使用すべきである

冠動脈疾患患者では投与を突然中止してはならない

カルベジロールは心不全の治療薬として承認されている

アテノロール*

25~100mg,1日1回

ベタキソロール*

5~20mg,1日1回

ビソプロロール*

2.5~20mg,1日1回

カルテオロール

2.5~10mg,1日1回

カルベジロール

6.25~25mg,1日2回

カルベジロール(放出制御)

20~80mg,1日1回

ラベタロール,§

100~900mg,1日2回

メトプロロール*

25~150mg,1日2回

メトプロロール(徐放性)

50~400mg,1日1回

ナドロール

40~320mg,1日1回

nebivolol

5~40mg,1日1回

ペンブトロール

10~20mg,1日1回

ピンドロール

5~30mg,1日2回

プロプラノロール

20~160mg,1日2回

プロプラノロール,長時間作用型

60~320mg,1日1回

チモロール

10~30mg,1日2回

*心選択性。

内因性交感神経刺激作用をもつ。

α-β遮断薬。ラベタロールは高血圧緊急症に対する静脈内投与も可能である。静脈内投与は20mgから開始し,最大300mgまで増量する。

§高血圧緊急症にも使用でき,静脈内投与は20mgから開始し,最大300mgまで増量する。

β遮断薬は狭心症患者,心筋梗塞の既往を有する患者,および心不全患者において特に有用であるが,アテノロールは冠動脈疾患(CAD)患者の予後が増悪する可能性がある。これらの薬剤の高齢者への使用が問題になるとはもはや考えられていない。

内因性交感神経刺激作用をもつβ遮断薬(例,アセブトロール,カルテオロール,ペンブトロール,ピンドロール)は血清脂質に悪影響を及ぼさず,重度の徐脈を引き起こす可能性は低い。

β遮断薬は中枢神経系に対して有害作用(睡眠障害,疲労,嗜眠)を示し,うつ病を増悪させる。ナドロールは中枢神経系に対する影響が最も小さく,中枢神経系作用を回避しなければならない状況では最善となりうる。β遮断薬は2度もしくは3度房室ブロック,喘息,または洞不全症候群の患者では禁忌である。

カルシウム拮抗薬

ジヒドロピリジン系薬剤( 高血圧に対する経口カルシウム拮抗薬)は強力な末梢血管拡張薬であり,全末梢血管抵抗(TPR)を低下させることにより血圧を降下させ,ときに反射性頻脈を引き起こす。非ジヒドロピリジン系薬剤のベラパミルおよびジルチアゼムは,心拍数の低下,房室伝導の低下,心筋収縮性の低下をもたらす。これらの薬剤は2度もしくは3度房室ブロックまたは左室不全を呈する患者に処方してはならない。

高血圧に対する経口カルシウム拮抗薬

薬剤

通常の用量

主な有害作用

備考

ベンゾチアゼピン系

ジルチアゼム,徐放性(sustained-release)

60~180mg,1日2回

頭痛,めまい,無力症,紅潮,浮腫,陰性変力作用;肝機能障害の可能性あり

収縮機能不全による心不全,洞不全症候群,または2度以上の房室ブロックには禁忌である

ジルチアゼム,徐放性(extended-release)

120~360mg,1日1回

ジフェニルアルキルアミン系

ベラパミル

40~120mg,1日3回

ベンゾチアゼピン系に同じ,加えて便秘

ベンゾチアゼピン系に同じ

ベラパミル,徐放性

120~480mg,1日1回

ジヒドロピリジン系

アムロジピン

2.5~10mg,1日1回

めまい,紅潮,頭痛,筋力低下,悪心,胸やけ,足部浮腫,頻拍

心不全には禁忌であるが,おそらくアムロジピンは除く

短時間作用型ニフェジピンの使用は心筋梗塞の発生率上昇と関連する可能性あり

フェロジピン

2.5~20mg,1日1回

イスラジピン

2.5~10mg,1日2回

ニカルジピン

20~40mg,1日3回

ニカルジピン,徐放性

30~60mg,1日2回

ニフェジピン,徐放性

30~90mg,1日1回

ニソルジピン

10~60mg,1日1回

長時間作用型のニフェジピン,ベラパミル,ジルチアゼムは高血圧治療に使用されるが,短時間作用型のニフェジピンとジルチアゼムについては,心筋梗塞の発生率上昇との関連が認められているため,推奨されない。

狭心症と気管支攣縮がみられる患者,冠攣縮のある患者,およびレイノー症候群の患者には,β遮断薬よりカルシウム拮抗薬が好ましい。

ACE阻害薬

ACE阻害薬( 高血圧に対する経口ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬)は,アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIを妨害するとともにブラジキニンの分解を阻害することで,反射性頻脈を惹起することなく末梢血管抵抗の低下をもたらし,これにより血圧を低下させる。ACE阻害薬は,血漿レニン活性とは無関係に,多くの高血圧患者で血圧を降下させる。ACE阻害薬には腎保護作用があるため,糖尿病患者に対する第1選択薬となっている。ACE阻害薬は黒人患者の初期治療には推奨されておらず,黒人患者の初期治療で使用すると,脳卒中の発生リスクが上昇すると考えられている。

最もよくみられる有害作用は煩わしい乾性咳嗽であるが,最も重篤な有害作用は血管性浮腫であり,中咽頭に発生した場合は致死的となりうる。血管性浮腫は黒人と喫煙者で最もよくみられる。ACE阻害薬は,血清カリウム値と血清クレアチニン値を上昇させることがあり,特に慢性腎臓病患者とカリウム保持性利尿薬,カリウム製剤,またはNSAIDを服用している患者でよくみられる。ACE阻害薬は,降圧薬の中で勃起障害をもたらす可能性が最も低い。ACE阻害薬は妊娠中は禁忌である。腎疾患を有する患者では,少なくとも3カ月に1回の頻度で血清クレアチニン値と血清カリウム値をモニタリングする。ステージ3の腎症(推算GFRが60mL/min未満30mL/min超)があり,ACE阻害薬の投与を受けている患者は通常,血清クレアチニン値がベースライン値から30~35%上昇するまで耐えることができる。ACE阻害薬は,循環血液量減少,重度の心不全,重度の両側腎動脈狭窄,または単腎で高度の腎動脈狭窄を有する患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。

サイアザイド系利尿薬は,他のクラスの降圧薬と比較してACE阻害薬の降圧作用をより大幅に増強する。スピロノラクトンとエプレレノンもACE阻害薬の作用を増強するようである。

高血圧に対する経口ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬

薬剤

通常の用量

主な有害作用

ACE阻害薬*

ベナゼプリル

5~40mg,1日1回

発疹,咳嗽,血管性浮腫,高カリウム血症(特に腎機能不全患者,またはNSAID,カリウム保持性利尿薬もしくはカリウム製剤を服用している患者),味覚異常,片腎または両腎に腎機能を脅かす狭窄がみられる場合の可逆的な急性腎障害,タンパク尿(推奨用量ではまれ),好中球減少(まれ),治療開始時の低血圧(特に血漿レニン活性が高い患者と利尿薬またはその他の状態による循環血液量減少がみられる患者)

カプトプリル

12.5~150mg,1日2回

エナラプリル

2.5~40mg,1日1回

フォシノプリル

10~80mg,1日1回

リシノプリル

5~40mg,1日1回

ペリンドプリル

4~8mg,1日1回

キナプリル

5~80mg,1日1回

ラミプリル

1.25~20mg,1日1回

トランドラプリル

1~4mg,1日1回

アンジオテンシンII受容体拮抗薬

アジルサルタン

80mg,1日1回

65歳以上の患者では初期用量40mg,1日1回

めまい,血管性浮腫(非常にまれ);理論的には,腎機能(ただしタンパク尿および好中球減少を除く),血清カリウム,および血圧に対するACE阻害薬の有害作用に同じ

カンデサルタン

8~32mg,1日1回

eprosartan

400~1200mg,1日1回

イルベサルタン

75~300mg,1日1回

ロサルタン

25~100mg,1日1回

オルメサルタン

20~40mg,1日1回

テルミサルタン

20~80mg,1日1回

バルサルタン

80~320mg,1日1回

*全てのACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬は妊娠中は禁忌である(第1トリメスターでカテゴリーC,第2および第3トリメスターでカテゴリーD)。

アンジオテンシンII受容体拮抗薬

これらの薬剤( 高血圧に対する経口ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬)は,アンジオテンシンII受容体を遮断し,それによりレニン-アンジオテンシン系を阻害する。アンジオテンシンII受容体拮抗薬とACE阻害薬は,降圧薬として同等の有効性を示す。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は組織アンジオテンシン変換酵素の遮断を介して,さらなる効果をもたらす可能性がある。これら2つの薬物クラスは,左室不全がある患者および1型糖尿病による腎症を有する患者において,それぞれ同じ有益な効果を示す。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はACE阻害薬とは併用すべきでないが,β遮断薬と併用すれば,心不全患者の入院率が低減できる可能性がある。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は,初診時の血清クレアチニン値が3mg/dL以下の60歳未満の患者に対して,安全に投与を開始できる。

有害事象の発生率は低く,血管性浮腫が生じるものの,その発生率はACE阻害薬と比較してはるかに低い。腎血管性高血圧,循環血液量減少,および重度の心不全を有する患者に対するアンジオテンシンII受容体拮抗薬の使用上の注意は,ACE阻害薬のそれと同じである( 高血圧に対する経口ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は妊娠中は禁忌である。

直接的レニン阻害薬

直接的レニン阻害薬のアリスキレンは高血圧の管理で使用される。用量は150~300mg,経口1日1回で,開始用量は150mgである。心不全における死亡率低下を指標とするアリスキレンの効力を評価するべく,現在複数の臨床試験が進行中である。

ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬と同様,アリスキレンは血清カリウム値と血清クレアチニン値を上昇させる。アリスキレンは,糖尿病または腎疾患患者(推算CFR 60mL/min未満)では,ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬と併用してはならない。

アドレナリン修飾薬

このクラス( 高血圧に対するアドレナリン修飾薬)には,中枢性α2作動薬,シナプス後α1遮断薬,および末梢作用性アドレナリン遮断薬がある。

高血圧に対するアドレナリン修飾薬

薬剤*

通常の用量

主な有害作用

備考

α2作動薬(中枢作用性)

クロニジン

0.05~0.3mg,1日2回

眠気,鎮静,口腔乾燥,疲労,性機能障害,突然の中止に伴う反跳性高血圧(特に高用量の場合,または併用薬のβ遮断薬が継続される場合),クロニジンパッチに対する局所皮膚反応;肝傷害,メチルドパによるクームス試験陽性溶血性貧血の可能性あり

起立性低血圧のため,高齢患者には慎重に使用すべである

蛍光定量法による尿中カテコールアミン濃度の測定に干渉する

クロニジンTTS(パッチ)

0.1~0.3mg,1週1回

グアナベンズ

2~16mg,1日2回

グアンファシン

0.5~3mg,1日1回

メチルドパ

250~1000mg,1日2回

α1遮断薬

ドキサゾシン

1~16mg,1日1回

初回投与時の失神(first-dose syncope),起立性低血圧,筋力低下,動悸,頭痛

起立性低血圧のため,高齢患者には慎重に使用すべである

前立腺肥大症の症状を軽減する

プラゾシン

1~10mg,1日2回

テラゾシン

1~20mg,1日1回

*末梢作用性アドレナリン遮断薬(例,グアナドレル,グアネチジン,レセルピン)はもはや入手できない。

TTS = 経皮吸収製剤(transdermal therapeutic system)。

α2作動薬(例,メチルドパ,クロニジン,グアナベンズ,グアンファシン)は,脳幹のα2アドレナリン受容体を刺激し,交感神経活性を抑制することにより,血圧を降下させる。中枢作用を有するため,その他の降圧薬と比べて眠気,嗜眠,抑うつを引き起こす可能性が高く,もはや広くは使用されていない。クロニジンはパッチ剤として週1回の適用で使用できるため,アドヒアランスが不良の患者(例,認知症患者)に有用となりうる。

シナプス後α1遮断薬(例,プラゾシン,テラゾシン,ドキサゾシン)は,死亡率を低下させないことがエビデンスから示唆されているため,もはや高血圧の初期治療には使用されていない。また,ドキサゾシンの単剤使用または利尿薬以外の降圧薬との併用は,心不全のリスクを高める。しかしながら,4剤目の降圧薬が必要とされる前立腺肥大症の患者と,交感神経緊張が亢進し(すなわち心拍数が高く,急激な血圧上昇がみられる),すでに最大用量のβ遮断薬を投与されている患者では使用される場合がある。

直接的血管拡張薬

この種の薬剤(ミノキシジルおよびヒドララジンを含む― 高血圧に対する直接的血管拡張薬)は,自律神経系とは独立して血管に直接作用する。ミノキシジルはヒドララジンより強力であるが,ナトリウム・水貯留,また女性では耐えられない多毛症などの有害作用が多い。ミノキシジルは難治性の重症高血圧にのみ使用すべきである。ヒドララジンは妊娠中(例,妊娠高血圧腎症に対して)および補助的降圧薬として使用される。ヒドララジンの長期高用量(1日300mgを上回る)投与と薬剤性ループス症候群の間に関連が認められており,投与中止により消失する。

高血圧に対する直接的血管拡張薬

薬剤

通常の用量

主な有害作用*

備考

ヒドララジン

10~50mg,1日4回

抗核抗体検査で陽性,薬剤性ループス(推奨用量ではまれ)

他の血管拡張薬の血管拡張作用を増強する

ミノキシジル

1.25~40mg,1日2回

ナトリウム・水貯留,多毛症;胸水および心嚢液貯留の発生または増悪の可能性あり

難治性の重症高血圧患者にのみ使用する

*両薬剤とも頭痛,頻拍,および体液貯留を引き起こし,冠動脈疾患患者では狭心症を誘発することがある。

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